2011年02月09日

2010年ドイツ年度代表馬選考が始まった

 ドイツ年度代表馬選考はまた芝シーズンが始まる頃にのこのこやるんだろうと思ってたら、いきなり昨日始まりやがった。

 Wählen Sie den Galopper des Jahres 2010!

 当ブログ毎年恒例の「勝手にドイツ競馬年度代表馬」も途中まで書いて余裕で放ったらかしにしてあったのに、急遽書いた分だけ出すことにしましたよ。幸いノミネート馬3頭については書き終わっていたので。

 そのノミネート馬3頭は以下のとおり。

 Night Magic
 Scalo
 Vanjura


 例年通り各部門別に書いているので、この3頭に該当しない古牡馬部門も一応執筆済みであげておきます。このブログにおけるマイルールは例年通り、選考対象馬は「ドイツ調教馬」及び「ドイツで出走した外国調教馬」、参考として馬名横に年度GAG、Thoroughbred Pedigree Queryの5代血統表へのリンクを付けておきます。

◆最優秀古牡馬: Campanologist(98kg)
 いきなり外国調教馬ですよ…。2010年は、2009年を牽引したGetawayが春2戦2着のあと故障引退。09年ダービー馬Wiener Walzer(97.5kg)が国外G1に挑戦するも結果を残せず、かといって新勢力が台頭してくることもないまま、国内G1のドイツ賞(ハンザ賞との合併開催)とラインラント・ポカールをゴドルフィンのCampanologistに掻っ攫われてしまった。残る混合G1を別の外国馬、牝馬、3歳馬に奪われたとなれば、最早ドイツ国内調教馬にこの部門の候補はいない。ということで、最優秀古牡馬はCampanologistに。
 それでも国内調教の牡馬を1頭選ぶなら、ピークを過ぎながらもG1戦線で残る力を発揮し、バーデン大賞で2着になった8歳馬のQuijano(98kg)であろうか。騙馬のQuijanoはこの年をもって引退。今年から故郷フェアホフ牧場で若駒たちの調教誘導馬になる。またWiener Walzerは今年からフランスのファーブル厩舎に預けられ、かつてのShiroccoやManduroのように名伯楽による再生を期待されることになる。ということで、今年の古牡馬は明け4歳馬たちの活躍に望みを託さざるえないようだ。

◆最優秀古牝馬: Night Magic(98.5kg)
 この部門に関してはこの馬をおいて他にいないだろう。昨年のディアナ馬は、古馬になって牡馬に交じり、ドイツ調教馬の中心を担った。春初戦はイタリアG1共和国大統領賞で仕上がり足りずに7着と凡走したが、バーデン開催中止のためホッペガルテンでの施行となった2200mmG2戦で貫禄勝ち。バイエルン・ツフトレネンでは直線で前が詰まって追い出しに遅れ、英国牝馬Lady Jane Digby(97kg)の2着に甘んじたものの、古馬頂点となるバーデン大賞で、牡馬陣を完封する見事な勝利を収めた。オイローパ賞では3歳馬のScaloに完敗したが2着は確保する。今年も現役続行は決まっているが、恐らく高値でのオファー待ちというところなのだろう。

◆最優秀3歳牡馬: Scalo(100kg)
 Scaloは春にG3を2戦2勝し一躍ダービー候補に上がるものの、ウニオン・レネン(G2)では直線で前が詰まって抜け出せずに5着、本番でも最後方から思うようにレースが出来ぬまま9着に沈んでしまった。一方で2歳から実績を持つZazou(96kg)がブッシュメモリアル(G3)完勝、仏2000ギニーのプール・デッセ・デ・プーランでよく追い込んでの6着に好走したあとウニオン・レネンで圧勝し、安定した強さを見せる。距離不安視されたダービーでも力は発揮し、ゴドルフィンのBuzzwordに屈しものの2着となった。だがその後、ランラント・ポカール3着、ドラール賞(仏G2)9着、ローマ賞(伊G1)4着と、古馬勢の前では結果を残せなかった。それに対し一旦主役の座から転落したScaloはダービー後に立て直し、8月のドーヴィルでPrix Guillaume d'Ornano(仏G2)を勝利してオイローパ賞(G1)に向かう。そしてNight MagicやQuijanoを、後方から見事に差し切ったのだ。
 ということで、最終的に古馬の強豪を相手にG1を制したScaloが3歳世代最優秀馬で問題ないだろう。Scaloには古馬になった今年も大きな期待がかかる。Zazouも本来的な力はあるので、再び立て直してマイルから2000mmクラスで活躍して欲しいものだ。

◆最優秀3歳牝馬: Vanjura(97kg)
 この部門は牝馬クラシックの王道を眺めていると、1000ギニーの Kali(96kg)もディアナ賞のEnora(95kg)も(少なくとも年内は)一発屋で終わってしまう。常に人気の上位にいたElle Shadow(95kg)は、G3等で勝つときはG1級の強さを見せ付けるのに、肝心なところで取りこぼしてしまった。ということで、クラシック路線はどうにも一押し出来ない馬ばかりだ。
 だが1000ギニーを7着のあと5月のホッペガルテンで2000mのディアナ・トライアル(G2)を勝ったVanjuraが、そこから再びマイルに路線を戻し、徐々に台頭する。ハンブルクの牝馬G3で古馬と対戦し同じ3歳で参戦した伏兵Aslanaに敗れるものの2着を確保し、9月にトルコの国際競走イスタンブール・トロフィー(G2)を快勝、そしてミラノのマイルG1、ヴィットーリオ・ディカプア賞でRio De La Plataに短首差の2着と好走したのである。負かした中にはPressingやドイツ古馬マイルの善戦野郎Sehrezadもおり、高いレベルは十分に示したといえる。

 ということで、執筆済みはここまで。本当はノミネート馬発表前に3頭予想をするつもりだったのだけど、先に答えを出されてしまった。しかし一応予想は、発表されたとおりではある。そしてこの中から1頭投票するなら、Night MagicとScaloで悩んだ末、Scaloを選ぶことにする。シーズン通じてドイツ競馬を牽引したのはNight Magicの方だけど、Scaloもシーズン通し3歳の中心にいた1頭であり、直接対決でNight Magicを破ったということでこちらにした。ただこれは好みの問題になるので、仮にNight Magicが選ばれたとしても異存はない。Vanjuraになったらちょっと首を傾げることになるが。

 もっともドイツの年度代表馬選考は、毎年首を傾げる結果になっているおり、安心はできない。とはいえ、今年は非常に珍しいことに(もしかしたら初めてかも)ケルンの調教馬が1頭も含まれていない(去年もケルン競馬場調教馬はいなかったが、シュレンダーハーンの2頭はケルン郊外の牧場併設調教場の馬なので、広い意味でケルン)。これまでアンチ票を集めてきたシュッツやヒルシュベルガーの馬がいないので、多分順当な結果に収まると思われる。特に住所・メールも明記する完全記名投票となっているため、一人による多重投票がかなり難しい。さすがに運営側も毎年の結果に少なからず頭を痛めていたとは思うから、こういった逃げ隠れできない投票手段を選んだのだろう。

 尚、締切りは書かれていないが、少なくとも今週一杯は受け付けていると思う。結果が出たら報告します。

 えっと、それから「勝手にドイツ年度代表馬」のその他の部門(2歳、及び各距離体系別)は来週以降に書きます。今週は明後日から佐賀に行き、金曜日に佐賀記念を見てくるのでw
posted by 芝周志 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
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