先日Twitterで、根岸競馬場跡地となっている根岸森林公園に、今尚かつての観客スタンドが廃墟となって残っていることが話題となり、これは是非とも見に行かねばならぬと思い立って、昨日晴天に恵まれた中早速訪ねてみた。現在立ち入り禁止となっていることは前情報として把握していたが、どこか金網でも空いていればこっそり中まで入っちゃおうかなと密かに目論んでいたのだけど、現場に着いた瞬間そんな浅薄な期待は消し飛ぶ。というのも、周りが鉄格子で囲まれているばかりでなく、スタンド正面側はなんと米軍住宅施設となっていて、屈強のネイビーたちが監視するエリアだからである。下手なことすりゃ国際問題だ。しかし偶然にもこの日は地元市民との交流を図るフレンドシップデイで、米軍敷地内に入ることが出来た。お陰でスタンド正面からの写真も可能となり、実にラッキーだった。
以下、撮ってきた写真を貼ってく。
根岸競馬場は1866年(慶応2年)12月に居留外国人の要望を受けて完成された、日本最初の常設近代競馬場だ。当初は居留外国人たちが結成した横浜レースクラブによって競馬が施行されていた。だが1880年(明治13年)に日本レースクラブが結成され、同年に天皇賞の前身となる「Mikado's Vase」が行われたことから、以後同クラブによる主催の下、根岸は日本競馬の中心的役割を担う競馬場となる。現在廃墟として残るスタンド(一等観覧席)は1930年(昭和5年)に建設されたものだ。しかし第二次大戦が激化する中、1942年(昭和17年)に当地での競馬開催が中止され、翌年海軍に接収された(高台で見晴らしが良く、横須賀軍港への船の出入りが丸見えだったため)。戦後は占領米軍によって軍施設ごと接収され、現在も米軍施設となっているのはそのためということだ。
ということで、普段は滅多に入れない米軍施設であるが、フレンドシップデイということで、ちょっとイベントの写真も撮ってきた。
フェットなネイビー・ランチを堪能したあと内馬場へ。
そして向正面の馬の博物館へ。
馬の博物館では特別展「戦国の城と馬」が行われており、西洋馬事が入ってくる前の日本の馬事文化というものを勉強させてもらった。いまや日本の馬種の殆どが西洋種、その半数以上がサラブレッドとなり、日本在来種を基礎とした馬事文化は衰退してしまっている。それゆえ日本には、西洋と比べてまともな馬事文化がなかったかのような誤解が持たれているところがある。しかしこうして学芸員さんたちがまとめてくれた展示を拝見すると、日本にも日本なりの馬事文化があったことがよく分かる。もっと自信をもって日本の馬事文化は知られていいものだと思う。
その他このブログ記事に貼り付けなかった写真もアップしてありますので、よろしければ以下にもどうぞ。
http://f.hatena.ne.jp/shibashuji/100424_Negishi/
2010年04月25日
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