2010年04月17日

最近のドイツ競馬ニュース諸々(レース以外)

 先週末は初めて阪神競馬場へ遠征し、桜花賞の撮影にチャレンジした。しかし既に写真をアップしてあるとおり、ピントはぼけぼけだ。スタンド後方から撮ったものの、コースからのスロープが浅くて前方の人たちの頭がどうしても視界にちらつき、AFの焦点が合わせにくいのである。これは写真撮りにとってだけでなく、背の低い女性や子供にも見難く、スタンドの作りは観客にとってあまり優しくない。ゴール前はウィーナーズサークルで間近には寄れないし、そもそも中山同様コースが客席側より少し高くて撮り辛い。プロカメラマンも堂々とゴール前に立ち塞がってるし。全体的には小奇麗でいい競馬場なのだけど、なんか肝心なところで観客視点が抜けてる作りだと感じさせられた。また行くときは敢えてG1を外すなり、対策を考えないといけないと痛感。

 さて、ドイツの芝競馬もぼちぼちフォローしていかないといけないのだが、今のところレース面ではシーズンを賑わすインパクトのある馬が登場しておらず、ネタとしては今一つだ。しかしレース以外でピックアップしておくべき話題もいくつかあるので、ざざっと簡単に紹介する。

◆スボリッチが調教中に頭部内出血の大怪我
 "Bluterguss im Kopf: Suborics in Hong Kong außer Gefecht"
 短期免許で香港にいたスボリッチが今月初め(追記:TwitterでのSeaBirdさんの情報によると4月7日にレースに出てたということで、リンクしてある記事がドイツ時間の8日になってるから、事故は多分8日の朝)、調教中の事故("Schlag eines Pferdes"とあるので、馬にぶつかったか蹴られたか)で頭部に内出血を起こす大怪我をしていた。幸い内出血除去の手術は上手くいき、治療としては順調のようだ。当面飛行機に乗ることが出来ないためドイツには戻れず、騎乗への復帰も今のところ全く未定。取り合えず引退になるような話は出ていないので、無事の復帰を祈るばかり。

◆バーデン競馬協会破産による開催危機救済
 "Aufatmen: Rennsport in Baden-Baden endlich gerettet!"
 今年初めに突如起こったバーデン競馬協会(インターナショナル・クラブ)の破産裁判により、今期の開催が危ぶまれていたバーデン競馬場だが、複数の出資団体による新運営組織Baden Racing GmbHの設立合意が成立したため、秋の大開催と10月開催の目処が立った。Baden Racing GmbHは、フェアホフ牧場総帥のアンドレアス・ヤコブスが運営するスポーツ・マーケティング・エージェントSports & Media AG、競馬専門紙Sport-Weltを発行するDSV Deutscher Sportverlag GmbH等が出資し、バーデン競馬協会破産管財人、及びメイン銀行シュパールカッセ・ガッゲナウ・バーデンバーデンと合意が得られた。競馬場があるイッフェツハイム市やバーデンバーデン市もこれを歓迎。
 尚、春開催については既に他場への振り替えが決定しているため、今年は開催されない。重賞の振り替え先は以下の通り。

・ベティ・バークリー・レネン(3200m,G3)→ 5月30日クレーフェルト
・バーデナー・マイレ(1600m,G3)→ 代替なし
・ベナツェット・レネン(1200m,G3)→ 6月6日ホッペガルテン
・バーデン企業大賞(2200m,G2)→ 6月6日ホッペガルテン

 同じく長い伝統がありながら2005年に破産したホッペガルテンがメインを引き受けているのが、どこか象徴的というか、バーデン競馬場に対しても悲観的になり過ぎずに済む。レース名が「ベルリン大賞」というのもなんだか感慨深い。

◆ヘルフェンバインがオストマン厩舎へ移籍
 "Alles klar! Helfenbein wird Stalljockey bei Uwe Ostmann!"
 ホーファー厩舎の主戦だったベテラン騎手ヘルフェンバインが、急遽オストマン厩舎へ移籍することが決まった。ヘルフェンバインは1990年から1993年にも同厩舎におり、久し振りの古巣への復帰となる。ホーファー厩舎では娘のシュテファニー・ホーファーが力を付けてきていて、冬のダートでの貯金で現在リーディングトップ。それゆえ親父のマリオが娘に騎乗を回すことが多くなり、ヘルフェンバインはより多くの騎乗機会を求めて移籍ということらしい。オストマン厩舎ではイタリア人騎手ポルクーを主戦に、若手のP.ヴェアリンクと回してきたが、昨年はどちらも頼りなさを残していたので、安心できるベテランが欲しかったようだ。ヴェアリンクは厩舎で育てており、最近それなりに安心できる力を付けてきているので、ポルクーがクビになって、ヘルフェンバインとの2人体制になるのだろう。一方心配なのはホーファー厩舎だ。娘に肩入れする余りベテランに出て行かれてしまったが、ホントにシュテフィーちゃんに任せて大丈夫だろうか?大手馬主がまず逃げそうで結構やばいかもしれない。

◆最後にYouTubeの映像を紹介

 2000年ドイツ・セントレジャー(G2) Moonlady (エイシンフラッシュの母)(直線のみ)


 2003年ドイツ・セントレジャー(G2) Royal Fantasy (ミッションモードの母)
posted by 芝周志 at 13:11| Comment(2) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
この記事へのコメント
どうもご無沙汰ですっ

ご存知とは思いますが、エイシンフラッシュ号の激走は嬉しかったですよ〜。。。
できれば2着になんてレースが終わった後だから、たらればで話もしますが充分に私自身の心を満たしてくれるものでした...。
それに多分 いろいろな配慮の上での牝馬2頭のセントレジャーのレースを載せて頂いていましたね。
感謝してます(笑)
拝見した競馬場も最後の直線は柵なんかも整備されていますが、道中は簡素な印象を受けました。ヨーロッパ全体がそうなんでしょうが、芝でのレースの為 日本の地方競馬場よりも陰気くささが感じられないですね。。。
セントレジャーが行われる競馬場は日本に例えれば東京競馬場と同じ位置づけに当てはまるのでしょうか???

いつもいろんな情報をありがとうございます。

追伸:エイシンフラッシュのダービーも楽しみですね。
Posted by bobinnocent1981 at 2010年04月19日 21:26
>bobinnocent1981さん

どうもです。

エイシンフラッシュ来ましたねぇ!
ふふ……ヴィクトワールピサとのワイドで取りましたw
14.4倍なら御の字ですw

ダービーも楽しみですが、何となく府中向きでない気もしてます。
素直にヴィクトワールピサの大物化を見たい気もするし、そのとき次第で応援の仕方は決めます。

ドイツレジャーの映像、喜んでいただけたようでしたら幸いです。
なかなかドイツ出身馬のレースはみんな見てないでしょうから。
一応著作権の問題もあるので、あまりあからさまにアップできませんが、
これはやはり日本の競馬ファンにも今見てもらいたいというレースがあれば、
こっそりまたアップするかもですw

因みにドルトムント競馬場は東京のような位置付けにはならないですね。
そもそも国自体が分権的で中心がありませんから、
東京競馬場ほど浮き上がったメイン競馬場はないんですよ。
ドルトムントは私のイメージ的には中京くらいの位置付けでしょうか。

今週末は独2000ギニートライアルのドクター・ブッシュ・メモリアル(G3)があるので、ドイツ競馬は注目です。
Posted by 芝周志 at 2010年04月20日 21:47
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