2010年04月01日

ドイツ年度代表馬選考について日本人ファンが愚考してみる

 改めてBildのオンライン投票サイトに行ってみると、ここでの最終投票数と得票率が出てきた。

オンライン総投票数:3,608票
1. Night Magic 58%
2. Wiener Walzer 28%
3. Getaway 14%

 昨年の有馬記念の有効投票件数193,875票と比べると、実に悲しい関心度である。今のご時勢、Sport-Welt紙掲載の投票用紙を切り取って郵送した人など高が知れているだろうから、総投票数で約4,000票といったところではないだろうか。

 そこで、郵送投票数を全体の約1割の400票と仮定して、オンライン得票率と全体得票率の差からその内訳を試算してみた。

1. Night Magic 132票(33%)
2. Wiener Walzer 204票(51%)
3. Getaway 64票(16%)

 Wiener WalzerとNight Magicが引っくり返った(相変わらずGetawayが低いのは納得し難いが…)。もちろん400票は当てずっぽうの数字である。しかし投票用紙が掲載された20、21日の週末はドルトムントとマンハイムのローカルレースしかなく、Sport-Welt購入者自体が1,000人いるのかも怪しいくらいだ(ドイツではレープロにも成績が載ってるので、それで済ましてしまう人も多い)。となれば、この数字もそう外れてはいないだろう。

 年度代表馬の投票には、ファンだけでなく、厩舎関係者も実は少なくないと思われる。実際、私がドイツ滞在中、まだテレビ放映と電話投票でやってたとき、1等の香港旅行がどこかの厩舎の厩務員さんに当たっていた。今回のオンライン投票数はたった3,608票である。数百人の厩舎関係者が、アンチ・ヒルシュベルガー意識と賞品目当ての組織票で投じていたとしたら、2,000票程度の底上げはそれ程難しいものではないだろう。

 運営側としては、長年続けてきたことと同時に、数少ないファン参加機会となっているこの選考形式を容易に変えられない思いはあるだろう。しかし実際問題として、本当のコアな競馬ファンにとって興醒めの結果があまりに多過ぎる。これではむしろ逆効果だ。日本のように競馬ジャーナリストに任せてしまうのはなかなか無理な選択肢かもしれないが、紅白歌合戦のように観客票と審査員票の重みを分けて決める方法もありかもしれない。もちろんその際は審査員票をきっちり開示し、審査員の責任と公正を明確にすることが必要だ。

 ドイツ競馬界は2年前から組織改変に取り組み、今年は"German Racing"というプロジェクト・チームを立ち上げて、いろいろと運営改革を試みていくことになっている。もっとも今年の開催スケジュールとか見る限り、まるっきり迷走中という観が否めないのだが、ある意味大胆な行動が許される今だからこそ、来年の年度代表馬選びについても、今から思い切り見直しをしてみてもいいのではないかと思う。日本人の私が日本語で言ってても仕方ないのだけど、コアなドイツ人競馬ファンたちには建設的な意見を上げていってもらいたいものだ。その点ドイツの競馬界隈は世界が狭いので、ちょっとした声でも関係者の耳に届きやすい。実際私がデュッセルドルフ競馬場の理事と知り合って、あれこれ具申したことがあるくらいなのだから(まあ結局金が無いってことで私のアイデアはどれも通らなかったけど)。

 頑張ってくれ、ドイツの競馬ファンたち。
posted by 芝周志 at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
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