中1週となるダービー最終便swb-ダービートライアル(準重賞、ブレーメン)は、このレースを6週間後のディアナ賞への一叩きに利用した唯一の牝馬、しかも休み明けのSerienhoeheが牡馬陣を一蹴して勝利。これまた伝統のSライン継承馬で、本番でも人気の一角を担うことになるだろう。もっともかなりスローペースで上がり勝負となったレースゆえに、SerienhoeheについたGAGはたったの89kgで、90kgに届かない低評価。しかもそのせいで敗れた牡馬たちのレイティングはかなり低く抑えられてしまい、ダントツの1番人気ながら追い込み及ばず3着に終わったSordinoは僅かGAG82kgしかもらえなかった。レース前はダービー本番の秘密兵器と囁かれていたにも拘らず、結局スボリッチ(今年はヒクスト厩舎所属)は追加登録された牝馬Bolivia(ディアナ・トライアル2着)に騎乗することを早々と決めてしまった。
さてこのように一通りトライアルが終了したことで、ダービー登録馬のレイティング、即ちレースでの馬番が以下の通り発表された。
140. IDEE Deutsches Derby (7月5日ハンブルク)
馬番 | 馬名 | GAG |
---|---|---|
1 | Wiener Walzer | 95.0 |
2 | Saphir | 95.0 |
3 | Oriantal Lion | 93.5 |
4 | Panyu | 93.5 |
5 | Egon | 93.5 |
6 | Hansom | 93.0 |
7 | Bolivia | 92.5 |
8 | Eliot | 92.5 |
9 | Quo Dubai | 92.0 |
10 | Glad Panther | 91.5 |
11 | Suestado | 91.0 |
12 | Frantic Storm | 86.0 |
13 | Toughness Danon | 85.5 |
14 | Sordino | 82.0 |
15 | Marlow | 82.0 |
16 | Ordenstreuer | 81.5 |
17 | Double Handful | 80.0 |
ハノーファーのトライアル勝者でRacebets.comの前売りでは1番人気に支持されているSuestadoが11番と、かなり大きな番号を与えられているが、この辺二つの重賞に偏重した評価という感は否めない。確かに相手がかなり手薄だったというのはあるが、バヴァリアン・クラシック4着のQuo Dubaiあたりよりは上でもよかった気はする。多分そのせいもあるだろう、陣営主戦騎手のデフリースがまだ騎乗馬を決定できずにいる。そりゃあもう1頭はポールポジションなわけだし、通常だったら何も考えずWiener Walzerに乗るはずなのだが、2年前に主戦だったヘリアーは距離不安が囁かれていた馬番1番のPersian Stormを選んで見事に敗れ、ハノーファーをステップに12番を付けてたAdlerflugが圧勝してしまったのだ。デフリースとしても折角のチャンスを馬番だけで見す見す逃したくはないだろう。かといってSuestadoを選んで負けたら、結構厳しい評価をされてしまうだろうし、なんとも苦しい胸の内が察せられる。尚、デフリースが選ばなかった方には、2年前にAdlerflugで勝ったヨハンソンが乗ることが決まっている。実は彼が一番おいしい立場なのかもしれない。