2009年05月10日

3歳戦線とギニー展望

今日ケルンで独2000ギニーのメールミュルヘンス・レネン(Gr.II)と1000ギニートライアル、流浪のレース名シュヴァルツゴルト・レネン(Gr.III)が行われる。ギリギリになってしまったが、ギニー展望と合わせ、少し現在の3歳有力馬を整理してみたい。08年振り返りで2歳馬編を結局やらず仕舞いだったし、その辺もここで関連付けながら話を進める。

まずは牡馬。ギニー路線と平行し、直接ダービールートへ向かう馬は、先週のバンクハウス・メッツラー春季賞(Gr.III)に出走、4番人気のGlad Pantherが人気のSaphirとの叩き合いを制して勝利。この馬は2歳デビュー戦で勝利、続く準重賞コロニムス・レネンで3着となっている(このレースを制したSmooth Operatorはその後フランスで重賞2勝を挙げ、今期のスプリント路線に期待が持たれている)。今年はドクター・ブッシュ・メモリアル2着のDaring Tigerがデビュー勝ちしたカテゴリーDレースでスタートし、ダントツの1番人気を裏切り3着。因みに今年から未勝利戦用のレースがカテゴリーDレースとされ、過去にカテゴリーDを勝った馬でも3kg負担増で出走可能となった。1勝馬の出られるレースが極端に少ないのが予てから問題にはなっていたため、こういう解決策になったようだ。Glad Pantherはこの敗戦故に人気を落としていたわけだが、重賞を勝ったことで一応の復権はできた格好だ。付いたGAGは91.5kg。昨年のKamsinが90kgなのだから、重賞格の馬がいなかったレースとしてはまずまずの評価といえる。ただGlad Pantherの父は日本でもタイキフォーチュン等を輩出したシアトルダンサーで、母系も短距離傾向だから今後距離延長がどこまでいけるかはまだ不透明。2着のSaphirは今年初戦のカテゴリーD戦で他馬を引き千切って勝利したためここで人気になっていた。2着とはいえ重賞初戦でこの内容ならまずまずで、父がBlack Sam Bellamyという点でも距離が伸びて更に活きてくるだろう。ダービーの有力候補の1頭と考えておいてよさそうだ。

その他ダービーへの抜けた有力候補はまだ不在で、デビュー、又は明け初戦のカテゴリーD戦で強い勝ち方をした良血1勝馬が数頭注目を浴びている状況だ。一応ニュースになっている名前を挙げておくと、Quamun(デビュー4馬身、母1000ギニー馬Quebrada)、Oriental Lion(デビュー1½差、兄Oriental Tiger)、Panyu(デビュー6馬身差、兄Platini、Paolini)、Wiener Walzer(明け初戦7馬身差、母Walzerkoenigin、兄Walzertraum)あたりを今後要チェック。ちょっと動向が分からない有力馬として上述のDaring Tigerが気になる。素質の高さはドクターブッシュで証明済みだが、2000ギニーにもダービーにも登録なく、一応21日の準重賞シュパールカッセ・ドルトムント大賞に登録してあるものの、その後の路線は不明。血統的にはかなりダービー向きだと思うのだが、いっそもっと長距離でセントレジャー狙いなのか。

さて本日のメールミュルヘンス・レネン。人気を集めるのはドクター・ブッシュ・メモリアルを圧勝したIrianで間違いない。この馬はダービーへの登録はなく、マイルから2000mをメインに進むことになる。ここが試金石だ。国内馬では2歳チャンピオンGlobusが前回敗戦からどれだけ立て直しているかが鍵。ヴィンターファヴォリート賞(Gr.III)を10馬身差で圧勝した馬だけに、叩かれ2戦目でガラっと変わる可能性がないわけではない。一方ヴィンターファヴォリート賞2着の良血Next Visionが明け初戦でここに臨んできたが、ヒルシュベルガー陣営のここでの期待は明らかにIrianにあり、ここはダービーへ向けた叩き1戦目として見ておくのが妥当。

Irianの強敵となるのはむしろ2頭の英国馬。メールミュルヘンスは過去にも度々英国馬に奪われているが、今年の2頭は例年以上にレベルが高い。格の上ではZafisioが圧倒的だ。2歳時にクリテリウム・インターナシオナル(仏Gr.I)を勝っているGr.Iホースである。ただ今年は英2000ギニーには登録ありながらそれに間に合わず、明け初戦にここを選んできた。クリテリウム・インターナシオナルも大穴での勝利で、その後クリテリウム・ド・サンクルー(仏Gr.I)では5着に敗退していたし、どこまで本物かは分からない。いくらGr.Iホースとはいえ、ドイツ勢としてはこういう馬に簡単にはやられたくないところだろう。

もう1頭のSri Putraは2歳時にGr.IIIを勝利。Gr.Iでは及ばなかったが、明け初戦のベイスウィック・タイアーズ・グリーンハムS(英Gr.III)で4着し、ここに臨んできた。本国ギニーでは厳しいからドイツを草刈場にしようという、過去の英国遠征馬の典型的パターン。一叩きした上積みはあり、怖いのはむしろこっちだろう。

それでは牝馬戦線。

ディアナ賞については、如何せん8月2日施行だから、これからデビューする馬にもまだチャンスはあり、今あれこれ挙げても意味がない。取り合えず現段階で挙げておくべき2頭について簡単に触れる。

まず2歳女王のSworn Pro。デビュー2戦目に未勝利脱出し、大穴でヴィンターケーニギン賞(Gr.III)を制した。母系はヴィッテキンズホフ牧場の基幹Sラインに属すが、母の産駒が地味で、且つ父Protektorというところが人気を落としていた原因だろう。ただProtektor産駒は時々一発やらかす馬が出るので、この馬もそういう意外性の1頭といえる。1000ギニーはスルーし、今年からホッペガルテンに移った(これはいいことだ)ディアナ・トライアル(Gr.II)から始動予定。

既に今期出走しギニーを回避してディアナへ向かう組は、5月3日ヘンケル・トライアル(L)を最初のステップにしている。ここを勝ったのがフェアホフ牧場のGalana。姉Goathemalaは強豪集う前年の3歳牝馬路線で地味に善戦し、シーズン最後の牝馬限定Gr.IIIを勝って重賞ウィナーの仲間入りを果たしている。Galanaはフランス、イタリアのオークスにも登録があり、次走はどちらかに挑戦することになるだろう。

残るディアナ候補は1000ギニーを待ってからということになる。

而してその1000ギニートライアルとなるシュヴァルツゴルト・レネン(Gr.III)。人気は前走ここへのステップになる準重賞デュッセルドルフ牝馬賞2着のNovitaと、昨年9月ケルンでの2歳準重賞を勝ち、ここを明け初戦として臨んできたJambalayaが人気を分け合い、ヴィンターケーニギン4着、ヘルツォーク・フォン・ラティボア・レネン(Gr.III)3着のAnjellaがそれに続いている。Novitaは2歳時に準重賞ユニオーレン賞で牡馬Next Visionを降しており、既に呼び声高い馬だ。ディアナへの登録は無く、1000ギニーを当面の目標に、マイル路線を進むことになるだろう。

その他、ここに名のない1000ギニー候補は、上述のデュッセルドルフ牝馬賞でNovitaを1¾差に降したNorderney。2歳デビュー戦を勝利し、明け初戦のこのレースを制して2戦2勝。まだ底を見せていない。1000ギニーでは今日のレースの勝ち馬とこのNorderneyが人気を分け合うことになるだろう。

ということで、間もなく発走にも拘らずブログアップ!ま、レースが終わった後に読んでください(^^;)

posted by 芝周志 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
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