2009年04月22日

Overdoseフィーバー

前回のエントリー内でも触れたとおり、19日(日)に地元ブダペストのキンツェム・パーク競馬場でOverdoseが今期始動。ハンガリーローカルGr.IにあたるOTPハンガリー大賞(1000m)を8馬身差で快勝した。(関係ないけど1000mレースがお国の名を冠したグランプリとはちょっと驚き。原語では"OTP-Hungária Nagydij"となっている。18年前、社会主義体制が崩壊して間もないジェールの街で、マジャール語が分からず、ドイツ語も英語もろくに通じない状況に、早くも進出していたマクドナルドで寂しさを紛らわしていた芝は、そのあと露天古本商でマジャール語-ドイツ語、ドイツ語-マジャール語辞典(携帯サイズ)を見つけ、藁をも縋るように買ってしまった。それぞれ背表紙には128フォリントと書いてあるけど、約5マルク(当時のレートで400円程度か)くらい払った記憶がある。長年実家の書棚に眠っていたのを今の住処に持ってきてあったのが、今役に立ちましたよ。"Nagy"が「大きい」で"gij"が「賞」だから、やはり「ハンガリー大賞」でOK。でも、本当に国民的正統性を持った名称なら、"Hungária"じゃなくて、"Magyar Nagydij"になるんだろうな。ちょっとグーグル先生に尋ねたら、F1にはあるってすぐに教えてくれた。競馬にもあるかどうかはもっと先生の懐に入っていかないと分からないのか…。)

早速YouTubeに映像が上がっていたので、貼り付けておきます。

スミヨンの腕がまるで動いてない。騎手学校1年生が乗っても勝てるんじゃないかというくらいの楽勝だ。鞍上は出来ればスボリッチのままいってもらいたかったのだけど、今後は英仏のレースに積極的に挑戦することを考えれば、国際レベルの経験とスター性からスミヨンというのも仕方ないかもしれない。ただスミヨンが他の馬にいってしまう可能性はあるが。一応この後は英国へ渡り、まずヘイドックのテンプルS(英Gr.II)を使う予定で、その後はロイヤルアスコットということだから、ゴールデンジュビリーS(英Gr.I)を目指すことになるのだろう。なんともワクワクする。

そんなワクワク感は当然マジャール国民の間でも凄いんじゃないかと思って、マジャール語が分からないなりにまたグーグル先生ニュースに訊いてみた。内容はさっぱりだが、4月20日付でも結構ヒットしているし、やはり相当話題になっているのだろう。案外ディープインパクト並のブームになってるのかもしれない。YouTubeでもレースだけじゃなく、テレビで特集をやってたようなのが上がってるし。

で、グーグル検索でヒットしたニュースの中に私でもすぐに見当がつく見出しがあった。

A New York Times is felfigyelt Overdose

ニューヨークタイムズにも載っちゃったぜ!って記事。で、調べてみたら、なんと1面写真入だよ!

ニューヨークタイムズ4月20日1面キャプチャーページ

アメリカでも話題になるって凄いなぁ。記事は以下。

Hungary’s Spirits Are Back Up, on a Horse

どうやら「ハンガリーのシービスケット」っていうことらしい。まあちょっと違うような気がするけど、国そのものが中小企業といった経済クラスの国民にとっては、確かに夢と勇気を与える存在として映るのだろう。日本人にとってはディープインパクトより、石油ショック間もない頃のハイセイコーのほうが近いのかも。無敵のスプリンターという意味では、香港のSilent Witnessフィーバーにオーバーラップする。まあいずれにせよ、マジャール人に「キンツェムって知ってる?」と訊けば大抵19世紀の名牝と答えるくらい(私も過去何人かに試したが、男は100%「もちろん!」と答えた)競馬が国民的記憶になっている国なのだから、Overdoseがただならぬ人気になっていることは想像に難くない。最終的に暮れの香港スプリントにでも来ることになったら、万難を排して私も是非見に行きたい。

posted by 芝周志 at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外競馬
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