1年ぶりですこんばんは(定型文)。
完全に死に体となってるこのブログも、やはりドイツダービーだけは書かねばならないという使命を何故か感じています。ましてや今年は第150回、大きな節目の開催です。というわけで、ドイツダービーの成り立ちでも紐解こうかと思いましたが、実はまだ競馬に対する情熱がそれなりにあった頃に書いてました。ご興味あればこの辺も読んでみてください。(もう10年前じゃないか……)
ネレイーデ物語〜Nereide - Geschichte einer Wunderstute〜 3.空前の電撃ダービー(前半部分)
また上記の補足としてこのブログ内でも少し触れてます。
「ネレイーデ物語」はしがき 〜 3.空前の電撃ダービー(「ウニオン・レネン(Union-Rennen)の創設」の項)
さて、例年通りドイツの競馬友達ヒネッケ兄弟がダービー予想のメールを送ってきてくれました。年賀状という制度を廃止した私にとって、これが唯一残る年の挨拶みたいになってますな。
出馬表はこちらより
ではまず兄のハネスから(※そういや実際の発音感覚で「ハネス」って書いてるけど、Hannesを「ハンネス」って書いたら、一部の人には酒飲みだけど人の良い駐屯兵団のおじさんのような顔で脳内イメージされんのかな)
自分から見て極端な2クラスに分けられる。4頭の馬が実にいい。コンスタントに対戦し合っており、これらが今年のダービーを形作ると思う。
Laccario - Django Freeman - Accon - Quest the Moon (順不同)
ただダービーとはいつも何か起こるものなので、(重い気持ちで)穴馬を選ぶとすると、
Dschingis First - Woodking(※メール受信後回避) - So Chivalry
になる。残りは検討に値しないね。
次に弟マティアスから届いたメールより
早速予想から。
Laccario-Quest the Moon-Accon-Django Freeman
穴馬としては以下の3頭
Amiro(父よりも母の血統から距離はいけると思う。でも本格的なスピードタイプでもない)
So Chivalry
普通だったらありえないような大穴としてMooniac(直近のレース内容はよくないけどね)
残りの馬はそそらない。万一の場合のためDschingis FirstとAndoroも加えるかもしれないけど、後者はスタミナタイプじゃない。LaccarioとQuest the Moonが本命。今年の出走馬のうち9頭が3着以内に入るチャンスがあるかなと見てるけど(もっとも相互の実力差がはっきりあるから、どのくらいチャンスがあるかは別として)
二人とも重賞勝ちのあるレーティング上位4頭を本命サイドで挙げてます。私も素直にこの4頭の対戦になるだろうと思っています。そしてこの4頭とも、近年久しぶりにダービー後の活躍も期待したくなるようなポテンシャルを持っていると感じています。
では、一応私がヒネッケ兄弟にメールした予想馬を並べますと、以下の6頭。
Laccario
Django Freeman
Accon
Quest the Moon
Amiro
Surrey Thunder
まず最重要トライアルのウニオンレネン(G2)を快勝したLaccario。この馬は2歳時にデビュー戦を2着後、今年初戦を勝利してからリステッド、G2と3連勝中。好位から直線できっちり抜け出し、ぶれないしっかりした走りで実に安定している。多頭数の本番で鞍上のペトロサがしくじらない限り、勝利に最も近い馬だと言えるでしょう。加えて父Scaloというのに心が動かされますね。Scaloは、恐らく日本で最も知名度の高いドイツ馬Landoの晩年の産駒で、オイローパ賞(G1)優勝馬。G1勝ちのLando産駒は穴馬が多かったせいか、種牡馬として結果を出してる後継が殆どいないのだけど、G1勝利は1回だけとはいえ、常に人気サイドで安定した走りをしていたScaloがこうして安定感のある馬を輩出してきたのは嬉しい。Landoの父系維持のためにもLaccarioには頑張ってもらいたいという気持ちも込めて、この馬を本命。
とはいえ、ウニオンで2馬身半差の2着だったDjango Freemanの、Laccarioとの勝負付けが済んでいるとは思いません。ウニオンでは位置取りが明らかに後ろ過ぎ、好位から全く無駄ないレース運びをしたLaccarioにあれでは届かなくて当然。その前のバヴァリアンクラシック(G3)を勝ったときは好スタートから4番手に控え、直線で外から抜け出すと、食い下がるQuest the Moonを1馬身半差に振り切る強い勝ち方でした。2歳チャンピオン戦のヴィンターファボリート賞(G3)でも勝馬Noble Moonと頭差2着の接戦を演じており(3着には3馬身差)、実力は確実にあります。
そのDjango Freemanにバヴァリアンクラシックで後塵を拝したQuest the Moonは、その後ロンシャンのリス賞(G3)に向かい、2着に2馬身半差をつけて快勝しています。その2着馬Khaganはその後オカール賞(G2)で勝馬から首−首差の3着となり、相対的にQuest the Moonの評価も上がったと言えるでしょう。
バヴァリアンクラシックで5着だったAcconは、バーデンバーデンのダービートライアル(G3)で評価を落としている中での勝利。他の馬が直線で外に流れるのに対して内を突いた鞍上パリックの好騎乗があったとはいえ、馬の成長力も感じられた勝ち方でした。
ただ4強全てが力を出せるとは限らないのが競馬であり、とりわけダービーというものであって、馬券圏内に入り込む穴馬を挙げるとしたら、Amiroかなと。バヴァリアンクラシックを逃げて4着だったのですが、一応最後までよく粘ってました。そしてこの馬、その時点では未勝利だったので、その後素直に未勝利戦へ出ると、力の違いを見せつけた4馬身半差の逃げ切り圧勝。この間にグッと成長した感もあり、本番でも恐らく逃げてレースを作ることになるこの馬の粘りにも注目したいところです。
あと一応もう一頭挙げたSurrey Thunderは、単にレース成績が安定していて、この馬なりに走りそうな気はするので、人気上位陣が崩れたときに、ちゃっかり馬券圏内にいるかもしれないと思ったくらいの評価です。
節目となる第150回ドイツダービーの発走は日本時間で7月7日23:50(どうせ遅れるだろうけど)。久しぶりにワクワクしながら観戦しようと思います。