2017年07月02日

第148回ドイツダービー予想・第3回 〜 最終予想


 さて、今年のドイツダービーもいよいよ今晩です。既に数日前にドイツからメールが届いてまして、遅くなりましたが、ドイツの競馬仲間ヒネッケ兄弟と私の最終予想を書いていきましょう。

 出馬表はこちらのリンク先をご参照
 →IDEE 148. DEUTSCHES DERBY, Hamburg 02.07.2017 - GERMAN RACING
 
 と、書いている最中に気づいてしまいました。人気を分ける1頭であったLangtangが出走取消です。軽い怪我をし、特に深刻なものではないが、万全の体制で臨めないため出走を見送るとのこと。実は自分の本命だったので残念です…。
 ドイツからもらった予想にはLangtangも入っており、コメントも一応同馬を含めて訳します。
 ではまず、久しぶりにガッツリ書いてきたマティアスの予想から。
【マティアス】
 とても見通しの効かないオープンなダービーだ。何頭かの出走馬についてはレベルやスタミナに疑問符がつく。また大抵のトライアルはトラブルがあったり、未熟な走りをした馬がいたりと、評価する点に乏しく、ウニオンレネンだけが基準になると言える。ただいずれにせよ手探り状態だ。願わくばダービーは平常なレースになってほしい。では、自分の挙げる馬は以下の6頭で。

 Windstoß - Colomano - Northsea Star - Langtang - Warring States - Oriental Khan

 Windstoßはウニオンレネンで印象強い走りをした。ステイヤーだと思う。問題は馬群の中をどう走るかだ。楽に先行できるとはダービーでは考えにくい。ハノーファーでの落馬事故さえなかったら、迷いなく本命と言えるのだが…。ただそれでも自分はこの馬に期待する!
 Colomanoは確かにいい馬だ。しかし最後の決め手としてはスタミナに欠けるのではないかと思う。しかしコンスタントには走る馬だ。Northsea Starは2400m持つだろうし、ウニオンレネンでもダービー馬の素質を見せる走りをしていた。
 Langtangも非常にいい馬で、イッフェツハイム(バーデンバーデン競馬場のこと)ではそれなりのレベルの馬たちを相手にきっちり勝っている。しかし2400mは少し長い可能性がある。Warring Statesも決してステイヤーではないだろうが、厩舎主戦騎手(ペトロサ)が(レーティング上位のLangtangではなく)こちらを選んだのはちょっと驚いた。
 ダービーではOriental Khanのような純粋なステイヤータイプも、紐に加えておくことができるだろう。ちょっと信じられないと思うだろうが、今年は極端にどんな可能性もありうるのだよ。
 Parvizは、落馬事故のせいで評価し難いハノーファーのトライアルを勝ってきた馬で、スピードをもったステイヤーではあるが、経験値が足りず、フランスのローカル競馬場でデビューした4月のレースでは酷い負け方をしているし、考えてみた末に除外した。Monrealは一押しに欠ける。Kastanoは自分のテンポで堅実に走るタイプだが、私の見解では2000mに合った馬で、2400mはきつい。Promise of Peaceのハノーファーでの結果は(落馬事故の影響を受けたため)度外視していい。しかし(同厩同馬主の)Warring Statesのペースメーカーにされると思うので、馬券には加えたくない。このような条件で上位にくるのは厳しいからだ。
 シールゲン厩舎のEnjoy VijayとRosenpurpurは、今年は自分の目に適う馬ではない。Shanjoは2000mがベストの馬だろう。Khanは大穴っぽさがあるけど、ウニオンレネンでのOriental Khanと比較すると弱すぎた。
 残りの馬は、もう言及するレベルじゃないね。

 次にハネスの予想を。こちらはあっさりと予想馬のみです。
【ハネス】
 Northsea Star - Windstoß - Sargas - Warring States - Langtang - Enjoy Vijay

 最後に私が彼らに送ったメールをば。これも出走取消になったLangtangを含めて書いてます。
【芝】
 トライアルの映像を改めて見返して、以下の馬に決めたよ。

 Langtang - Windstoß - Warring States - Colomano - Northsea Star - Shanjo

 Langtangのハンブルクへのステップは理想的で、血統的にも2400mはこなせると思う。潜在能力としてはWindstoßの方を評価しているのだが、ハノーファーでの事故と、それゆえのイレギュラーな臨戦過程のため、Langtangより評価を下げざるえない。Warring Statesのウニオンレネンの結果は、ペトロサが見習い騎手みたいなレースをしてたので、度外視していい。しかしスタミナには疑問符が残る。Colomanoは確かにいい馬なのだけど、ダービーを勝ち切るにはどこか信頼性に欠ける。Northsea Starも堅実な馬だ。しかしダービーを勝つほどには馬がまだ完成されてない気がする。Shanjoは確かにウニオンレネンで惨敗してるけど、その前の2レースの走りがとてもよかったので、予想に残した。鞍上がメンディザバルだというのも期待する理由の一つ。

 それぞれの予想はこんな感じです。
 前回の記事のあとに施行されたトライアルについても、一応映像を付けて簡単に振り返っておきましょう。



 伝統のトライアル、ウニオンレネン(G2)。ハクサンムーンの半弟(父ヴィクトワールピサ)のWarring Statesは、かかり気味にスタートしたのを押さえてたら最後方になり、最終コーナーで大外回して伸びてるけど届かずという、「エディ、お前は日本で馬鹿にされてたとおりのことをホームでやっててどうするよ…」と言いたくなる内容。実力の片鱗は示してたけど、無駄の多いレースでしたね。
 その点、同じく後方にいたColomanoは内でしっかり脚を溜め、直線に入ると前が空いた隙間から上手に外へ抜け出して、前を行くWindstoßをきっちり捕えた勝利。ベテランの鞍上ヘルフェンバインの腕が光った内容でした。
 しかしこのレースで一番力強さを見せたのは、Windstoßの方でしょう。外枠スタートから先頭に立ってペースを握り、直線でも容易にColomanoを抜かせない粘りを見せました。ただとにかく残念なのが臨戦過程。この6日前のハノーファーで前にいたRoyal Flagが飛び上がって尻もちついたあおりで、落馬転倒。にもかかわらず、ウニオンを使ってこのような粘りのレースを見せて、本番でお釣りが残ってるかが一番の不安。更に、このレースで逃げの手に出たのは、間違いなくハノーファーでのトラウマを避けるためでしょう。多頭数の本番でそうスムーズに行くかは、上の予想でマティアスが指摘しているとおり、大きな不安材料です。将来的にも期待できる馬なので、なんとか克服してもらいたいのですけどねえ……。



 ダービー最終便であるブレーメンのトライアルを勝ったWalsinghamは、そもそもダービー登録なし。中1週のトライアルだと、こういう馬も交じってるんですよね。実はもともと素質がありそうな馬だと思って、以前チェックしてたのですが、ダービー登録がなかったので、予想からは除外してました。今後の重賞で注目していきたい馬ですね。このレースからダービーに出走するのは、最下位のAmunだけで、さすがに厳しい。ブレーメン競馬場は財政難から市の支援が打ち切られ、閉鎖が確定しています。最後の注目レースがこういう内容になり、そういう意味でもちょっと寂しいレースでした。

 ドイツダービーの発走時刻は日本時間の22:40。昨日の馬場状態は重で、今日も曇り時々雨予報なので、大幅な回復は見込めないでしょう。Warring Statesには厳しい条件かな…。
 それでは、発走を楽しみに待ちましょう。
posted by 芝周志 at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
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