2017年05月04日

第148回ドイツダービー予想・第1回 〜 注目馬をリストアップ


 数少ない読者の皆さん、お久しぶりです。芝周志です。

 今年のドイツダービーは7月2日開催です。しかしいきなりこの時期にこのようなエントリーを上げるのは、一昨日ドイツの競馬友だち、ヒネッケ兄弟から突然今年のダービー候補リストが送られてきたからです。そう、毎年予想を交換している彼らです。兄ハネス曰く「ダービー直前に送ると、お前も(ブログ用に)訳すのが大変だろう。」ということで、今年は5月初旬(今回)、6月初旬、本番直前の3回に分けて予想を送ってくるそうです。お陰で昨晩、昨年秋から先週末までのドイツの2歳、3歳戦を見まくって勉強しました。GWでよかったですよ……

 というわけで、まずは私を含めた3人の現時点での注目馬をリストアップしましょう。今のところ印の強弱はなく、アルファベット順になりますが、一応続けてその中から数頭、私なりのピックアップをしていこうと思います。(※現時点のダービー登録馬はこちら

※馬名(父−母)調教師、馬主
【ハネス】
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Nerud (Bernardini - Night Lagoon) Andr.Wöhler, Dr. Christoph Berglar
 Northsea Star (Sea The Stars - North Queen) M.Klug, Gestüt Wittekindshof
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Sargas (Shirocco - Servenya) J.-P.Carvalho, Gestüt Schlenderhan
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Shinzaro (Invincible Spirit - Shimrana) D. Moser, Gestüt Brümmerhof
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited

【マティアス】
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Promise Of Peace (King Kamehameha - Peace Of World) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Rolando (Campanologist - Rosa Di Brema) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Shinzaro (Invincible Spirit - Shimrana) D. Moser, Gestüt Brümmerhof
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

【芝】
 Dia Del Sol (Soldier Hollow - Diatribe) M.Klug, Gestüt Röttgen
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Monreal (Peintre Celebre - Montezuma) J.-P.Carvalho, Stall Ullmann
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Northsea Star (Sea The Stars - North Queen) M.Klug, Gestüt Wittekindshof
 Rosenpurpur (Pour Moi - Rosenreihe) P.Schiergen, Gestüt Wittekindshof
 Sargas (Shirocco - Servenya) J.-P.Carvalho, Gestüt Schlenderhan
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Wilder Wein (Soldier Hollow - Wind in her Hair) M.Klug, Gestüt Park Wiedingen
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

 私だけ少し多めになってしまいましたが、なかなかこの時期に絞り込めなかったのでご容赦を。

 まずは、昨年の2歳チャンピオン決定戦ヴィンターファボリート賞(G3)の勝馬であり、3人とも名前を挙げているLangtangから行きましょうか。


 
 1番人気を背負って最後の直線できっちり突き放しており、この時点では明らかに格上。血統的にも距離延長に問題はなさそうで、謂わば王道を進むべき馬。しかし今年初戦のドクターブッシュメモリアル(G3)で、今年調教師になった日本でもお馴染みのスボリッチが送り込んだ伏兵Dragon Lipsに3 1/4差をつけられて2着に敗退(Dragon Lipsはダービー登録がなく、メールミュルヘンスレネン(独2000ギニー)が次走目標)。



 とはいえ、休み明け初戦2着なら上々で、次走上積みの可能性は十分。

 次に、つい先日の5月1日、ミュンヘンのバヴァリアンクラシック(G3)を制したWarring States。



 既に気づいている人もいると思いますが、この馬の父はヴィクトワールピサ、母チリエージェという日本産馬で、ハクサンムーンの半弟です。日本産馬がドイツの重賞を制し、ドイツダービーの有力候補に躍り出る日が来るとは、長年ドイツ競馬を眺めている身としては、なかなか感慨深いです。この馬は2歳デビュー戦を楽勝し、クリテリウムドサンクルー(仏G1)に挑むも10着に敗退。バヴァリアンクラシックではヴェーラー厩舎3頭出しの中、1番手はキングジョージ馬Novellistの半弟Nerudだったはずなのですが、レース直前にWarring Statesが2番人気に押し上げられての勝利(Nerudはいいところなく6着)。余程パドックでの仕上がりがよかったのでしょう。この血統でタフなハンブルク2400mをこなせるのか不安がないわけではないですが、日本視点では注目せざるをえません。

 このレースでWarring Statesとの叩き合いを演じたのがEnjoy Vijay。2歳時は4戦して未勝利。但し果敢に重賞に挑戦して、4戦目のラティボアレネン(G3)を3着と好走。明け初戦の平場戦で未勝利を脱出しここを2着と、シールゲン厩舎は経験で鍛えて力を付けさせています。シールゲン厩舎に今のところ主役級がいないのですが、この馬の成長力はちょっと怖いですね。

 尚、このレースで1番人気だったSea The Stars産駒のNorthsea Starは、2歳デビュー戦を4 3/4差で圧勝してのここ2戦目4着であり、一叩きしての巻き返しチャンスはまだありそうです。

 また、4月9日デュッセルドルフで行われたリステッドのダービートライアル(※レース名は先走ってますが、きさらぎ賞がオープンに格落ちしたくらいの位置付けです)を制したWindstoßは、かなり強い勝ちっぷりでした。



 その他、今年の重賞、リステッドではないため、まだGerman RacingのYouTubeビデオアーカイブにはありませんが、平場別定戦で今年2連勝中のShanjoは要注目です。2歳の11月に1戦して3着は単なる実戦調教で、3月初戦を3 3/4差の楽勝で未勝利脱出、4月23日クレーフェルトでの平場2050mでは、1頭だけ3kg重い59kgの斤量で1.4倍のダントツ人気に応え、同じく3 3/4差で力の違いを見せつけました。私はドイツのブックメーカーサイトで映像を見たのですが、フラフラしたところがなく、次走次第では一躍本命になりそうな魅力を感じます。

 あとは今年4月に満を持してデビューし、強い勝ち方をした名門シュレンダーハン牧場のSライン系Sargasが、次走試金石といったところでしょうか。

 全体的にクルーク厩舎とヴェーラー厩舎に有力どころが集まっている印象です。

 このあと本番前に重要なステップとなるレースは、一応クラシック1戦目である5月21日メールミュルヘンスレネン(G2, 1600m, ケルン)、5月28日イットリンゲン・ダービートライアル(G3, 2000m, バーデンバーデン)、6月5日ハノーファーフォルクスバンク大賞(Listed, 2200m, ハノーファー)、そして伝統のトライアルである6月11日ウニオンレネン(G2, 2200m, ケルン)、ダービー最終便の6月18日swbダービートライアル(Listed, 2200m, ブレーメン)となります。

 では、6月初旬にドイツから第二弾が来たら、次回中間予想をば。
posted by 芝周志 at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬
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