2011年04月17日

そろそろドイツ3歳戦線について

 メール・ミュルヘンス・レネン(独2000ギニー・G2)のトライアルに当たるドクター・ブッシュ・メモリアル(G3)を直前に、いい加減2歳戦の振り返りを含めて3歳戦線の展望っぽいものを。

 既に先週デュッセルドルフで最初の3歳リステッドレースがあり、勝ったAcadius(2歳GAG95kg 以下GAGは2歳時のもの)は昨年オッペンハイム・レネン(L)を圧勝して2歳最高GAGをもらっており、ラティボア・レネン(G3)では全く力を発揮せず直線で沈んだものの、完全復調しての復帰とみてよさそう。メール・ミュルヘンスでも確実に人気になるだろう。

 そのラティボア・レネンで勝ったのがGereon(94kg)。3戦3勝で全て楽勝。調教師のクリスティアン・チャッヘ(Cristian Zschache)は同馬の馬主でもあり、ホッペガルテンで小厩舎を構えているに過ぎない。大抵こういうところからいい馬が出てくると、早い段階で大手馬主に売られ、厩舎も大手に移るものだが、チャッヘは今のところGereonを手放す気はなく、春先には久しく誰もチャレンジしなくなったクラシック三冠を目指すと表明していた。ただ春の復帰戦がまだ決まっておらず、クラシック第1戦のメール・ミュルヘンスには直行でない限り間に合いそうにない。また有力騎手は皆どこかの大手厩舎に所属しているので、探し回った結果主戦を引き受けてくれたのが、往年のドイツ・リーディングで今は嫁さんの経営するスイスの厩舎でのんびり現役を続けているボシュカイである。もう50歳過ぎてるし、重賞に出てくることもすっかりなくなってるので、経験と名声は一流だが、現在の力はどうかとなると不安ではある。しかし馬はまだまだ底を見せていないので、とにかく楽しみな1頭だ。

 ブッシュ・メモリアル出走馬は、なかなかいいメンツが揃った。筆頭に上がるのは当然2歳チャンピオン戦であるヴィンターファヴォリート賞(G3)を制したSilvaner(93.5kg)である。2戦2勝で、ヴィンターファヴォリートでは大外から粘るNice Danonを捕らえての勝利。圧勝ではないのでGAGは思ったより付かなかったが、素質は十分感じられる1頭だ。

 一方そのレースで2着に敗れたNice Danon(93kg)も、決してそこで決着がついた訳ではない。その前のツークンフツ・レネン(G3)では最低人気であったにも拘らず1着入線で、進路妨害のため2着に降着。ヴィンターファヴォリートでもそうだったように、並んでから粘る根性があり、1戦毎に力を付けている印象だ。叩き1戦目の今回はどうか分からないが、仮に負けても切り捨てるには早いタイプだと見ている。

 Silvanerと並んでブッシュ・メモリアルで人気になりそうなのが、Quinindo(88.5kg)。デビュー戦で10馬身差の圧勝劇を演じ、フェアホフ牧場の良血というのあって一気にダービー候補の筆頭扱いになったのだが、思い切ってチャレンジしたクリテリアム・ド・サンクルー(仏G1)ではいいところなく5着に敗退。やや人気先行の嫌いがあり、ブッシュ・メモリアルは試金石といえる。

 もう1頭ブッシュ・メモリアルで面白そうなのがLindenthaler(90.5kg)だ。2戦2勝でユニオーレン賞(L)を余裕を持った勝利。シールゲン厩舎主戦のシュタルケは重賞馬のSilvanerに乗るが、こちらもデフリースを押さえてるので、どちらが上というものではないと思う。牝系はエッベスロー牧場が持つ古いドイツ血統で、父はAzamour。決して早熟タイプではないだろう。

 その他2歳で好成績を残し、まだ復帰戦が決まっていない牡馬では、Earl of Tinsdal(85kg)が挙げられる。2戦2勝でミュンヘンのオークション・レネンを圧勝で制している。2着のRose Danonが先週Acadiusによく食らいついての2着になっており、相対的にEarl of Tinsdalの評価も高くなる。この馬はダービー狙いで復帰戦を組んでくるだろう。

 もう1頭、まだ1戦1勝ながら現在のダービー予想で上位人気に入っているのが、グラディッツ牧場のSundream(77kg)。GAGは未勝利戦1勝のみだから当然低いが、このレースでの落ち着いた勝ちっぷりにはかなりのポテンシャルを感じさせられた。父Lomitasだから距離が伸びて期待でき、この馬もダービー1本狙いで復帰してくるだろう。

 最後に今更ながら2010年勝手に年度代表馬2歳牡馬を選ぶと、3戦3勝、且つラティボア・レネンでの強い勝ち方からGereonにしたい。小厩舎から出てきた大物のいう話題性もあり、昨年の2歳馬では最も注目された馬といえるだろう。

 全体として今年の3歳牡馬は粒揃いで面白そうだ。ダービーに向けてこれからデビューする有力馬も少なくないし、結構楽しめそうである。

 3歳牝馬については、また1000ギニートライアルを見据えたあたりでw
posted by 芝周志 at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬