2010年10月14日

八幡平で紅葉・自然撮影

 南部杯マイルチャンピオンシップに合わせて今年も盛岡に行ってきた。ただ、今年は日帰りではなく、前日朝に夜行バスで盛岡入りし、紅葉撮りを楽しむことにした。競馬写真仲間のT氏が最近競馬よりも自然撮りにはまっていて、彼も行くというので(T氏は更に1日早く現地入り)、レンタカー便乗で一緒に廻ることにしたのである。

 宿泊、及び撮影は盛岡から岩手山の北側に回った八幡平で、今年は夏が長引いたせいで紅葉は例年より遅れているということだったが、八幡平アスピーテラインや樹海ラインを登った山の中腹付近では程よく色づいていて、とてもよい景色を堪能することが出来た。日曜日は基本的に霧雨が降っていたため、撮影コンディションとしては必ずしもよくなかったものの、濡れた景色というのもまた乙であり、虹や雲海にも出会えたのは、むしろ雨天ゆえの絶好の撮影日和だったともいえる。

 私にとっては初めての気合を入れた自然撮影で、なにかと要領を得ないところが多かったが、自然撮影を熱心に勉強中であるT氏のアドバイスもあり、初回としてはなかなかよい撮影が出来たと感じている。それゆえ備忘録の意味でも、今回の撮影をいくつか振り返ってみたい。

 基本撮影機材は以下のとおり。

◆ボディ: CANON EOS 7D
◆レンズ:
 SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
 CANON EF200mm F2.8L II USM
◆三脚: SLIK スーパーイーグル



 八幡平アスピーテラインで後生掛温泉方面へ向かう途中の景色。霧雨が舞っていて森の上方は霞んでいるものの、木々が色とりどりに色付いていたので、車を止めて撮影。競馬場では緑と青空を映えさせるため、大抵ホワイトバランス(WB)は「太陽光」、ピクチャースタイル(PS)を「風景」にしているのだけれども、紅葉撮りの場合は赤みを鮮やかにしたいので、WB「くもり」、PS「ポートレート」にしてみた。フォトショでコントラストを若干強めているが、本来靄ってしまう風景で、それなりに木々の色合いは拾えたんじゃないかと思う。

 因みに私はフォトショで調整することにそれほどの躊躇はない。RAWで撮った場合はWBを調整できるのがそもそもの強みであり、コントラストも含めフォトショで調整することで、被写体の持っていた魅力をより再現できるなら、それでいいではないかという考えだ。またPC画面で画像を大きくして微調整することで、次の現場での撮影のための勉強にもなる。いずれにせよいじり過ぎると不自然になるから、基本的にWBの見比べと、多少のコントラストの強調とシャープ化だけ。また望遠で寄り切れなかったものに関しては2割程度まではトリミングすることもある。



 苔の碧をもう少し強調するならPSを「スタンダード」か「風景」に変えた方がよかったかもしれないが、主役は飽くまで落ち葉の方にしたので、枯葉色はこれの方が出たんじゃないかと。EF200mm/F2.8を付けると競馬場ではシャッタースピードとぼけ味を出すために思いっ切り開放にする癖が付いているのだけど、ここは中央の落ち葉全体がクリアになりつつ周りをぼかすという感じでいくつか絞りを調整して、F5.6が結果としてうまく収まったかなと。落ち葉に付いた雫ももう少し際立ったら綺麗なのだろうけど、それにはマクロレンズが必要になるのだろう。



 後生掛温泉を過ぎたすぐ先の大沼にて。降ったり止んだりだった中で晴れ間が覗いた時に撮影。空の青さをある程度拾いたかったので、WBは「くもり」のままだけど、PSを「風景」に変えた。結構明るくなったのでISOを100にしたのだけど、被写界深度をとるためF14まで絞ったらやはりシャッタースピードがかなり遅くなったので、三脚を使う。でもISO400くらいまでならそれほど画質を気にするものではないから、手持ちでも撮ることは可能なレベル。



 八幡平樹海ラインを温泉郷方面へ引き返す途中で虹に出くわす。雨と隣り合わせの撮影だからこそ出会えるラッキーだろう。とはいえ、虹が出ている時間は僅かなものだから、虹が見えたと思った瞬間に車を止めて撮影開始。しかし虹と空と森とで適正露出が全く異なり、とにかくいろいろ設定を変えながら撮りまくる。結果として森の色合いを同時に出そうとすると空に対しては露出過多になり、虹は薄くなって、空も白飛びしてしまうため、虹を強調するためには、やはり森が黒く潰れるのも致し方ないというもの。因みにシャッタースピード1/1600秒なんてもちろんいらない。もっと絞ってシャッタースピード遅めてもよかったのだろうけど、とにかく虹が消えてしまう前に露出を調整していたから、偶々この設定でこの明るさになったということだ。この辺も経験による勉強と。



 これも八幡平樹海ラインを走っている途中で出会った光景。雲海が眼前に広がる様は実に素晴らしかった。そういう目で見た感動をどこまで写真に収められるかというのが、謂わば写真撮りの腕の見せ所となるのだろうけど、まあさすがに難しい。設定としては虹と同じように空や雲を強調すると森が黒潰れし、森の緑を拾おうとすると空が白飛びしてしまう。ただこの光景では森にかかる雲が重要なので、森を完全に潰すわけにはいかず、鮮やかさには欠けるもののうす暗く森の雰囲気を残しながら、それを覆う雲を形取った写真になった。もちろんあとから結果としてこの1枚を選んだのであり、他に暗すぎたり白飛びしてるのを何枚も撮ってますよ(笑)



 朝焼けを撮るために朝4時に起きて八幡平樹海ラインに向かったのだが、まだ雲が多く空を覆っており、八幡平の山頂付近は雨が酷かったので、急いで止んでいるところまで引き返し、パノラマが広がるところで空の変化を撮っていた。そうしたら岩手山の山頂を覆う雲とそこから降り注ぐ雨に陽光が差し、なんとも鮮やかに輝きだした。まるで空から光が降り注ぎ、山を溶かしていくような感じになったのである。これはいいものを見させてもらった。カメラの設定はとにかくあれこれ変えながら撮りまくり、一番バランスよく落ち着いたのがこんな感じだ。もう少し露出をマイナス補正すると光の存在感が際立つのだろうが、私はこんな感じに山の色合いも残っている方が神秘的な気がするので、空は白飛び勝ちだがこれでいいかなと。



 これは山の稜線にズームして、光が山肌を照らす様子を撮ってみたもの。もうちょっと光にコントラストがあったら荘厳な感じもでるのだろうが、取り敢えずこれはこれでといった感じ。尚、この写真を撮るに当たってはEOS 7Dの持つライブビュー機能がとても役に立った。コンデジだと背面のライブビューを見ながら撮るのは当たり前だが、一眼レフでこの機能が付いたのはキヤノンの中級機以上だと7Dが最初だ(訂正:1D Mark IIIや50Dにも付いてましたね)。こういう景色だとAFの焦点が合いにくいので、ライブビューで見ながら焦点付近を拡大し、マニュアルで焦点を合わせた。この機能は接写のときにも使える。

 この他にもいくつか挙げてみたいものはあるが、さすがに冗長になってきたのでこの辺にしておく。

 その他の写真はこちら

 週末はどうしても競馬撮りばかりになってしまうが、やはり時には思い切って自然撮りに行くのも楽しい。また時々チャレンジしてみたいと思う。
posted by 芝周志 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ・写真

2010年10月01日

コンデジで挑戦〜反省会〜

 ちょいと遅くなりましたが、先週25日(土)に挑戦した中山でのコンデジ撮影の結果について気づいたところをば。

 使ったデジカメ、及び基本設定は以下の通り。

機種:CANON Powershot A520
記録画素数:2272×1704画素
ISO:50固定
焦点距離(35mmフィルム換算):35-140mm
連写機能:使用なし
測光方式:スポット測光(中央固定)
ホワイトバランス:プリセット(太陽光)

 前回も書きましたが、ISOは50から1段でも上げると画質に即影響するため、シャッタースピードが遅くなっても上げずに撮るつもりでした。当日は昼頃まで雲がかかっていたものの、幸い午後には快晴となり、ISOを気にする必要はありませんでした。コンデジ撮影としては、最高の条件に恵まれたと言っていいでしょう。その代わり悪条件での撮影は殆ど試せなかったので、今回は飽くまで光量を十分に確保できる環境下でのチャレンジということになります。

 まず、まだ雲がパドック上空を覆っていた6レース新馬戦のパドック。



 広角撮り。ホントは被写界深度をもう少し稼ぎたかったのだけど、これ以上シャッタースピードを落とすのは取り敢えず避けたかったので、F4.5で。しかしこれでもまずは無難なところかなと。

 但し、やはりAFが甘いのが多かったですね。特にズームにすると、動いているときは上手くいってもこれくらいです。



 AFサーボがなく、毎度ワンショットAFで撮ってるから、馬を追うコツを掴んでピントの甘さを克服するしかない感じですね。

 しかし7レース以降はすっかり晴れて、パドックにもきれいな秋の日差しが差し込んだため、ズームで寄ってF5.5にしても、1/800秒までスピードを稼げ、AF精度も高まり、これくらいくっきりとした写真も撮れました。



 ただワンショットAFゆえの典型的な失敗パターンとして、シャッターを押してから実際に撮影されるまでに、ピント合わせの一拍が入ってしまうため、以下のように顔がフレームから切れてしまうような写真を量産してしまいました。



 これもカメラ性能に依存した解決策はなく、フレーム内に常に収めながら馬を追うテクニックを再三撮影することで掴んでいくしかないでしょうね。しかしその辺は慣れの問題とも思うので、克服までにそれほど時間がかかるものではないでしょう。

 コンデジの手軽さを活かした撮り方としては、思い切って柵の下までカメラを下し、広角で目暗射ちしてみるのも面白いです。4、5回試し撮りすれば大体の理想的角度は分かります。天気の良い青空を入れながら広角であおるように撮ると、こんな感じの写真になります。



 ゴール前写真や返し馬はさすがに厳しかったです。返し馬ですら以下のとおりで、レースについてはワンショットAFの問題も含めて、タイミング良くフレーム内に収めることが難しかったです。



 この点も慣れである程度克服することは可能でしょうが、いずれにせよ一眼望遠ほどの対応力はなく、絵としてきれいにまとまった写真を撮るには偶然に頼る部分が多すぎると思います。コンデジの得意分野ではないと割り切って、他のイメージを探した方がいいでしょう。

 結局競馬場でコンデジの能力を引き出すには、広角メインに景色としての描写に凝った方が良いのではと思います。この日の午後はきれいに晴れたため、そういった景色として撮るには絶好の条件となりました。

 4コーナーからの撮影ですが、柵からカメラを外へ出して、モニターを斜めに覗きながら柵沿いの観客をフレームから外し、斜めに広がるターフと空の雲を返し馬のタイミングに合わせて撮って見たのが以下の写真です。



 好きな馬を撮りたい人には、こういう景色写真は無用かもしれませんが、こういう場面の中に自分の好きな馬が写っているのも素敵でしょう。そこは写真撮影が単調にならないように、工夫してみる範囲のもとの思います。

 ただ、馬を間近に撮るなら、やはりパドックでの撮影慣れをするのがいいのでしょうね。その場合はやはりまずワンショットAFのピント合わせのタイミングと、フレーム合わせる馬の追い方を覚えるのが肝心でしょう。天気が悪く光量が少ないと、AFの測光が甘くなるのは否めません。これはシャッタースピードの問題ではないため、感度を上げて解決するものではなく、馬を追いながら如何に測光ポイントを1点に会わせ続けられるかになるのでしょう。

 それでも冬の中山とかは、パドックも最初から光が少なくなってしまうでしょうから、シャッタースピードと相談しながら、まずは出来るだけ絞りを開放にして明るさを確保し、ISOを上げるのは最終手段という感じで攻めることになるのだと思います。

 それにしてもこれだけ好天に恵まれたため、結果としては楽しい撮影が出来ました。コンデジ派の人たちにも、コンデジの長所を活かした撮影を楽しんでもらえればと思います。この記事が多少の参考になれば幸甚かなとw
posted by 芝周志 at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ・写真