2020年07月12日

第151回ドイツダービー予想


 1年ぶりですこんばんは(定型文)

 間もなく発走というのに今頃慌てて書いてます。というのも、このところ家の事情で競馬どころではなく、今日も日中は実家でいろいろと事務作業にてんてこ舞いでした。
 父上、口座を小分けにしすぎでござるよ……

 ドイツ競馬は新型コロナウイルスの影響で、シーズン開始が5月になってからであり、ダービーも例年より1週遅れの開催となりました。今のところ日本と同じく無観客なため、毎年予想送ってくれるドイツの競馬オヤジ、ヒネッケ兄弟も、すっかりモチベーションが下がってるとのこと。なので、「今年もダービー予想はやったよ!」っていうアリバイ作り程度にササッと。

 まず弟マティアスから。
大抵の馬は馬場状態に左右されそうだ。
Kellahen:ダービーを逃げ切るのはとても難しいし、ステイヤーの血統ではないが、2400mはこなせるだろう。良馬場のほうがいい。好みの馬だ。
Grocer Jack:よくなってる印象だ。ダービーではWonderful Moonに先着できるのでは。
Wonderful Moon:机上では当然の一番人気。しかし自分の目には、2400mをこなせるステイヤーとは思えない。
Dicaprio:ミュンヘンでのトライアル(L)では重馬場で印象に残る勝利だった。チャンスはある。しかし良馬場だと勝利は厳しいか。
Torquator Tasso:まだまだ馬が未熟だが、気に入っている。穴馬として。
Adrian:ステイヤータイプだが、グレーヴェ厩舎の出走馬では明らかにWonderful Moonより格下。でも侮ってはいけない。
Soul Train:良馬場ならチャンスあるかも。

予想:
Kellahen
Grocer Jack
Wonderful Moon
Dicaprio
Torquator Tasso

 兄ハネスのほうは、すっかりやるきが失せてて、「マティアスが選んだ馬の中から上位3頭決まるんじゃないか?ただし、Torquator Tassoの代わりにIn Swoopを穴候補で」とのこと。

 最後に一応私が彼らに返した返事は以下。
Wonderful Moonが安定した本命でいいだろう。道中不利がなければ、少なくとも3着以内は固い。Kellahenは強い相手と対戦したことないが、底も全く見せてない。とても惹かれる。
Grocer JackはWonderful Moonには及ばないだろう。
それよりは、Soul Trainの成長力に期待したい。
その他に馬券圏内に来るとしたらDicaprioかな。

予想:
Wonderful Moon
Kellahen
Soul Train
Grocer Jack
Dicaprio

 発走予定時刻は日本時間23:07(半端やな)。YouTubeのライブ中継はこちら
posted by 芝周志 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2019年07月07日

第150回ドイツダービー予想


 1年ぶりですこんばんは(定型文)。

 完全に死に体となってるこのブログも、やはりドイツダービーだけは書かねばならないという使命を何故か感じています。ましてや今年は第150回、大きな節目の開催です。というわけで、ドイツダービーの成り立ちでも紐解こうかと思いましたが、実はまだ競馬に対する情熱がそれなりにあった頃に書いてました。ご興味あればこの辺も読んでみてください。(もう10年前じゃないか……)

 ネレイーデ物語〜Nereide - Geschichte einer Wunderstute〜 3.空前の電撃ダービー(前半部分)

 また上記の補足としてこのブログ内でも少し触れてます。

 「ネレイーデ物語」はしがき 〜 3.空前の電撃ダービー(「ウニオン・レネン(Union-Rennen)の創設」の項)

 さて、例年通りドイツの競馬友達ヒネッケ兄弟がダービー予想のメールを送ってきてくれました。年賀状という制度を廃止した私にとって、これが唯一残る年の挨拶みたいになってますな。

 出馬表はこちらより

 ではまず兄のハネスから(※そういや実際の発音感覚で「ハネス」って書いてるけど、Hannesを「ハンネス」って書いたら、一部の人には酒飲みだけど人の良い駐屯兵団のおじさんのような顔で脳内イメージされんのかな)
 自分から見て極端な2クラスに分けられる。4頭の馬が実にいい。コンスタントに対戦し合っており、これらが今年のダービーを形作ると思う。
 Laccario - Django Freeman - Accon - Quest the Moon (順不同)
ただダービーとはいつも何か起こるものなので、(重い気持ちで)穴馬を選ぶとすると、
 Dschingis First - Woodking(※メール受信後回避) - So Chivalry
になる。残りは検討に値しないね。

 次に弟マティアスから届いたメールより
早速予想から。
 Laccario-Quest the Moon-Accon-Django Freeman
穴馬としては以下の3頭
 Amiro(父よりも母の血統から距離はいけると思う。でも本格的なスピードタイプでもない)
 So Chivalry
 普通だったらありえないような大穴としてMooniac(直近のレース内容はよくないけどね)
残りの馬はそそらない。万一の場合のためDschingis FirstとAndoroも加えるかもしれないけど、後者はスタミナタイプじゃない。LaccarioとQuest the Moonが本命。今年の出走馬のうち9頭が3着以内に入るチャンスがあるかなと見てるけど(もっとも相互の実力差がはっきりあるから、どのくらいチャンスがあるかは別として)

 二人とも重賞勝ちのあるレーティング上位4頭を本命サイドで挙げてます。私も素直にこの4頭の対戦になるだろうと思っています。そしてこの4頭とも、近年久しぶりにダービー後の活躍も期待したくなるようなポテンシャルを持っていると感じています。

 では、一応私がヒネッケ兄弟にメールした予想馬を並べますと、以下の6頭。

 Laccario
 Django Freeman
 Accon
 Quest the Moon
 Amiro
 Surrey Thunder

 まず最重要トライアルのウニオンレネン(G2)を快勝したLaccario。この馬は2歳時にデビュー戦を2着後、今年初戦を勝利してからリステッド、G2と3連勝中。好位から直線できっちり抜け出し、ぶれないしっかりした走りで実に安定している。多頭数の本番で鞍上のペトロサがしくじらない限り、勝利に最も近い馬だと言えるでしょう。加えて父Scaloというのに心が動かされますね。Scaloは、恐らく日本で最も知名度の高いドイツ馬Landoの晩年の産駒で、オイローパ賞(G1)優勝馬。G1勝ちのLando産駒は穴馬が多かったせいか、種牡馬として結果を出してる後継が殆どいないのだけど、G1勝利は1回だけとはいえ、常に人気サイドで安定した走りをしていたScaloがこうして安定感のある馬を輩出してきたのは嬉しい。Landoの父系維持のためにもLaccarioには頑張ってもらいたいという気持ちも込めて、この馬を本命。

 とはいえ、ウニオンで2馬身半差の2着だったDjango Freemanの、Laccarioとの勝負付けが済んでいるとは思いません。ウニオンでは位置取りが明らかに後ろ過ぎ、好位から全く無駄ないレース運びをしたLaccarioにあれでは届かなくて当然。その前のバヴァリアンクラシック(G3)を勝ったときは好スタートから4番手に控え、直線で外から抜け出すと、食い下がるQuest the Moonを1馬身半差に振り切る強い勝ち方でした。2歳チャンピオン戦のヴィンターファボリート賞(G3)でも勝馬Noble Moonと頭差2着の接戦を演じており(3着には3馬身差)、実力は確実にあります。

 そのDjango Freemanにバヴァリアンクラシックで後塵を拝したQuest the Moonは、その後ロンシャンのリス賞(G3)に向かい、2着に2馬身半差をつけて快勝しています。その2着馬Khaganはその後オカール賞(G2)で勝馬から首−首差の3着となり、相対的にQuest the Moonの評価も上がったと言えるでしょう。

 バヴァリアンクラシックで5着だったAcconは、バーデンバーデンのダービートライアル(G3)で評価を落としている中での勝利。他の馬が直線で外に流れるのに対して内を突いた鞍上パリックの好騎乗があったとはいえ、馬の成長力も感じられた勝ち方でした。

 ただ4強全てが力を出せるとは限らないのが競馬であり、とりわけダービーというものであって、馬券圏内に入り込む穴馬を挙げるとしたら、Amiroかなと。バヴァリアンクラシックを逃げて4着だったのですが、一応最後までよく粘ってました。そしてこの馬、その時点では未勝利だったので、その後素直に未勝利戦へ出ると、力の違いを見せつけた4馬身半差の逃げ切り圧勝。この間にグッと成長した感もあり、本番でも恐らく逃げてレースを作ることになるこの馬の粘りにも注目したいところです。

 あと一応もう一頭挙げたSurrey Thunderは、単にレース成績が安定していて、この馬なりに走りそうな気はするので、人気上位陣が崩れたときに、ちゃっかり馬券圏内にいるかもしれないと思ったくらいの評価です。

 節目となる第150回ドイツダービーの発走は日本時間で7月7日23:50(どうせ遅れるだろうけど)。久しぶりにワクワクしながら観戦しようと思います。
posted by 芝周志 at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2018年07月08日

第149回ドイツダービー予想


 1年ぶりですこんばんは。
 間もなくドイツダービー発走ですね。日本時間の23:55です。

 例年通りこのレースの予想だけはブログに書いてるわけですが、おなじみのドイツの競馬友達ヒネッケ兄弟からは既に週はじめに予想が届いており、私も木曜日には返事をしていました。それですっかり満足して、ついさっきまでブログに書くことを忘れていた次第です。

 しかし、それにしても今年のドイツ三歳戦線にはそそるものが乏しい。ヒネッケ兄弟も今年は気持ちが乗らないと書いてきており、なんにせよ低調感は否めません。一応Royal Youmzainが一つ頭抜けている感じではあるにせよ、例えば2012年のNovellistのような圧倒的な強さを感じるかというとそうではなく、その足元を掬ったPastoriusのような潜在力を感じる馬がいるかというとイマイチ……

 出馬表はこちらより

 では一応ヒネッケ兄弟のメールをご紹介。まず弟のマティアスから。
 Weltstarはステイヤーだ。DestinoがウニオンレネンでWeltstarと接戦を演じたのは驚きだった。それまでの成績が足りなかったからね。ウニオンでの走りは十分なものだ。ミュンヘンでのRoyal Youmzainの走りはそれほど印象的ではなく、バーデンバーデンでも然程ちぎっていたわけではない。聞いたところによると、厩舎主戦のペトロサはRoyal YoumzainとChimney Rockのどちらに乗るか、かなり悩んだらしい。Royal Youmzainは、今回ハンブルクで勝つには、性格的に神経質すぎる気がする。バーデンバーデンでのChimney Rockの走りは無視してよく、多分左回りが得意じゃなかったせいだろう。はっきりとした不利もあったし。なので、この馬にちょっと期待したい(※本日出走取消になりました)。Destinoはダービーディスタンスをこなせるだろう。Salve de Rioは父系がステイヤーではないが、母系はいけるし、陣営もかなり期待しているようだ。上に挙げた5頭の中にダービー馬はいるだろうと予想する。その他には期待してない。Jimmuは臨戦過程があまり良くないが、あまりレベルの高くない世代だし、ステイヤーとしての能力で6着以内には来るかもしれない。Eccoは最後のスタミナが足りないと思う。Aldenhamにも同じことが言えると同時に、非常に乗りにくい馬でもある。Sweet Manは最低限のステイヤー資質はあるので、この世代の中では多少価値はあるけど、来ても驚きの範疇だね。Guiriは全然信頼できない。

Weltstar-Royal Youmzain-Chimney Rock-Destino-Salve del Rio

 次に兄のハネス。
 今年のダービーのレベルに対する「抗議」として、短くまとめる。Royal YoumzainとWeltstarの同着ってことで。そのあとはあまり浮かばないが、3着は(毎度穴馬が来るし)Sweet Manで(Balmain(※ハノーファーのトライアル勝馬。故障で不出馬)の2着で価値は上げられるし)。その他に関しては特になし。申し訳ない。今年は感情的にも推せる馬がいないもので(Royal Youmzain以外にはだけど、しかしこの馬に対してもワグネリアンのほうが気持ち的結びつきは上)。

 ハネスのワグネリアン発言について補足すると、彼はディープインパクトのダービーを府中で生観戦してるので、ディープ産駒には常に思い入れが強いのです。

 さて、私の予想はというと、以下の並びで彼らに返信しました。

Salve Del Rio- Royal Youmzain- Weltstar- Destino- Ecco

 まずRoyal Youmzainについて。成績も安定しており、ペトロサがしっかり好位から直線で抜け出す競馬をできれば、上位入線を外すことはないでしょう。そのRoyal Youmzainの足元を掬う候補一番手には、Salve Del Rioを狙っています。昨年の二歳G3ヴィンターファヴォリート賞の2着という実績馬で(勝馬には8馬身ちぎられれてますが)、今年緒戦ミュンヘンのバヴァリアンクラシック(G3)4着に対し、ウニオンレネンでは確実に馬の状態が良くなってきてるので、本番にばっちり合わせてくる可能性があります。当然ウニオン勝馬Weltstarも徐々に仕上げてきている感があります。Destinoはウニオンで突然好走したので、それがフロックでなければ上位に入り込む可能性はあるでしょう。あとは単純にダービーでのシュタルケは侮れないという理由でEcco。なんかこれを書いてる発走約2時間前で3番人気なんだが、ドイツの競馬ファンも考えることは同じなんでしょうか……

 そんな感じで、今年は非常にテンション低く観戦することになりそうです。
posted by 芝周志 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2017年07月02日

第148回ドイツダービー予想・第3回 〜 最終予想


 さて、今年のドイツダービーもいよいよ今晩です。既に数日前にドイツからメールが届いてまして、遅くなりましたが、ドイツの競馬仲間ヒネッケ兄弟と私の最終予想を書いていきましょう。

 出馬表はこちらのリンク先をご参照
 →IDEE 148. DEUTSCHES DERBY, Hamburg 02.07.2017 - GERMAN RACING
 
 と、書いている最中に気づいてしまいました。人気を分ける1頭であったLangtangが出走取消です。軽い怪我をし、特に深刻なものではないが、万全の体制で臨めないため出走を見送るとのこと。実は自分の本命だったので残念です…。
 ドイツからもらった予想にはLangtangも入っており、コメントも一応同馬を含めて訳します。
 ではまず、久しぶりにガッツリ書いてきたマティアスの予想から。
【マティアス】
 とても見通しの効かないオープンなダービーだ。何頭かの出走馬についてはレベルやスタミナに疑問符がつく。また大抵のトライアルはトラブルがあったり、未熟な走りをした馬がいたりと、評価する点に乏しく、ウニオンレネンだけが基準になると言える。ただいずれにせよ手探り状態だ。願わくばダービーは平常なレースになってほしい。では、自分の挙げる馬は以下の6頭で。

 Windstoß - Colomano - Northsea Star - Langtang - Warring States - Oriental Khan

 Windstoßはウニオンレネンで印象強い走りをした。ステイヤーだと思う。問題は馬群の中をどう走るかだ。楽に先行できるとはダービーでは考えにくい。ハノーファーでの落馬事故さえなかったら、迷いなく本命と言えるのだが…。ただそれでも自分はこの馬に期待する!
 Colomanoは確かにいい馬だ。しかし最後の決め手としてはスタミナに欠けるのではないかと思う。しかしコンスタントには走る馬だ。Northsea Starは2400m持つだろうし、ウニオンレネンでもダービー馬の素質を見せる走りをしていた。
 Langtangも非常にいい馬で、イッフェツハイム(バーデンバーデン競馬場のこと)ではそれなりのレベルの馬たちを相手にきっちり勝っている。しかし2400mは少し長い可能性がある。Warring Statesも決してステイヤーではないだろうが、厩舎主戦騎手(ペトロサ)が(レーティング上位のLangtangではなく)こちらを選んだのはちょっと驚いた。
 ダービーではOriental Khanのような純粋なステイヤータイプも、紐に加えておくことができるだろう。ちょっと信じられないと思うだろうが、今年は極端にどんな可能性もありうるのだよ。
 Parvizは、落馬事故のせいで評価し難いハノーファーのトライアルを勝ってきた馬で、スピードをもったステイヤーではあるが、経験値が足りず、フランスのローカル競馬場でデビューした4月のレースでは酷い負け方をしているし、考えてみた末に除外した。Monrealは一押しに欠ける。Kastanoは自分のテンポで堅実に走るタイプだが、私の見解では2000mに合った馬で、2400mはきつい。Promise of Peaceのハノーファーでの結果は(落馬事故の影響を受けたため)度外視していい。しかし(同厩同馬主の)Warring Statesのペースメーカーにされると思うので、馬券には加えたくない。このような条件で上位にくるのは厳しいからだ。
 シールゲン厩舎のEnjoy VijayとRosenpurpurは、今年は自分の目に適う馬ではない。Shanjoは2000mがベストの馬だろう。Khanは大穴っぽさがあるけど、ウニオンレネンでのOriental Khanと比較すると弱すぎた。
 残りの馬は、もう言及するレベルじゃないね。

 次にハネスの予想を。こちらはあっさりと予想馬のみです。
【ハネス】
 Northsea Star - Windstoß - Sargas - Warring States - Langtang - Enjoy Vijay

 最後に私が彼らに送ったメールをば。これも出走取消になったLangtangを含めて書いてます。
【芝】
 トライアルの映像を改めて見返して、以下の馬に決めたよ。

 Langtang - Windstoß - Warring States - Colomano - Northsea Star - Shanjo

 Langtangのハンブルクへのステップは理想的で、血統的にも2400mはこなせると思う。潜在能力としてはWindstoßの方を評価しているのだが、ハノーファーでの事故と、それゆえのイレギュラーな臨戦過程のため、Langtangより評価を下げざるえない。Warring Statesのウニオンレネンの結果は、ペトロサが見習い騎手みたいなレースをしてたので、度外視していい。しかしスタミナには疑問符が残る。Colomanoは確かにいい馬なのだけど、ダービーを勝ち切るにはどこか信頼性に欠ける。Northsea Starも堅実な馬だ。しかしダービーを勝つほどには馬がまだ完成されてない気がする。Shanjoは確かにウニオンレネンで惨敗してるけど、その前の2レースの走りがとてもよかったので、予想に残した。鞍上がメンディザバルだというのも期待する理由の一つ。

 それぞれの予想はこんな感じです。
 前回の記事のあとに施行されたトライアルについても、一応映像を付けて簡単に振り返っておきましょう。



 伝統のトライアル、ウニオンレネン(G2)。ハクサンムーンの半弟(父ヴィクトワールピサ)のWarring Statesは、かかり気味にスタートしたのを押さえてたら最後方になり、最終コーナーで大外回して伸びてるけど届かずという、「エディ、お前は日本で馬鹿にされてたとおりのことをホームでやっててどうするよ…」と言いたくなる内容。実力の片鱗は示してたけど、無駄の多いレースでしたね。
 その点、同じく後方にいたColomanoは内でしっかり脚を溜め、直線に入ると前が空いた隙間から上手に外へ抜け出して、前を行くWindstoßをきっちり捕えた勝利。ベテランの鞍上ヘルフェンバインの腕が光った内容でした。
 しかしこのレースで一番力強さを見せたのは、Windstoßの方でしょう。外枠スタートから先頭に立ってペースを握り、直線でも容易にColomanoを抜かせない粘りを見せました。ただとにかく残念なのが臨戦過程。この6日前のハノーファーで前にいたRoyal Flagが飛び上がって尻もちついたあおりで、落馬転倒。にもかかわらず、ウニオンを使ってこのような粘りのレースを見せて、本番でお釣りが残ってるかが一番の不安。更に、このレースで逃げの手に出たのは、間違いなくハノーファーでのトラウマを避けるためでしょう。多頭数の本番でそうスムーズに行くかは、上の予想でマティアスが指摘しているとおり、大きな不安材料です。将来的にも期待できる馬なので、なんとか克服してもらいたいのですけどねえ……。



 ダービー最終便であるブレーメンのトライアルを勝ったWalsinghamは、そもそもダービー登録なし。中1週のトライアルだと、こういう馬も交じってるんですよね。実はもともと素質がありそうな馬だと思って、以前チェックしてたのですが、ダービー登録がなかったので、予想からは除外してました。今後の重賞で注目していきたい馬ですね。このレースからダービーに出走するのは、最下位のAmunだけで、さすがに厳しい。ブレーメン競馬場は財政難から市の支援が打ち切られ、閉鎖が確定しています。最後の注目レースがこういう内容になり、そういう意味でもちょっと寂しいレースでした。

 ドイツダービーの発走時刻は日本時間の22:40。昨日の馬場状態は重で、今日も曇り時々雨予報なので、大幅な回復は見込めないでしょう。Warring Statesには厳しい条件かな…。
 それでは、発走を楽しみに待ちましょう。
posted by 芝周志 at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2017年06月11日

第148回ドイツダービー予想・第2回 〜 中間予想


 皆さんこんばんは。芝周志です。

 日本時間の今夜22:55にダービートライアルの王道ウニオンレネン(G2)がケルン競馬場で発走となるのですが、実は昨日、一昨日とドイツから中間予想が来ていたので、ウニオン発走前に現時点で絞ったダービー予想馬を挙げておきます。

※馬名(父−母)調教師、馬主
【ハネス】
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Sargas (Shirocco - Servenya) J.-P.Carvalho, Gestüt Schlenderhan
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited

【マティアス】
 Colomano (Cacique - Codera) M.Klug, Stall Reckendorf
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Nerud (Bernardini - Night Lagoon) Andr.Wöhler, Dr. Christoph Berglar
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Promise Of Peace (King Kamehameha - Peace Of World) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Rosenpurpur (Pour Moi - Rosenreihe) P.Schiergen, Gestüt Wittekindshof
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

【芝】
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Monreal (Peintre Celebre - Montezuma) J.-P.Carvalho, Stall Ullmann
 Northsea Star (Sea The Stars - North Queen) M.Klug, Gestüt Wittekindshof
 Rosenpurpur (Pour Moi - Rosenreihe) P.Schiergen, Gestüt Wittekindshof
 Parviz (Lope de Vega - Sur Choix) W.Hickst, Darius Racing
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

 前回エントリーから先週までに行われたダービーの主要なステップレースは、5月28日イットリンゲン・ダービートライアル(G3, 2000m, バーデンバーデン)と6月5日ハノーファーフォルクスバンク大賞(Listed, 2200m, ハノーファー)。独2000ギニーのメールミュルヘンスレネン(G2, 1600m, ケルン)はダービーに直結しない結果でした。

 イットリンゲン・ダービートライアルでは、2歳チャンピオンのLangtangが前走ブッシュメモリアル2着の失点を取り返し、実力を示した勝利。本番でも本命候補の1頭となることは間違いないでしょう。



 一方、ハノーファーフォルクスバンク大賞は波乱の内容となってしまいました。というのも、道中向正面で逃げていたRoyal Flagが突然何かに驚いて飛び上がり尻もちをついたため、その直後にいた1番人気のWindstoßが転倒落馬してしまったのです。


(映像がアップされた当初はちゃんと転倒シーンが映ってたのですが、今見たらボカシが入ってますね。ドイツもこういうの自粛すんだな…)

 勝ったのは5月1日にフランスのウィッセンブールでデビュし、16日にハノーファーで1勝したばかりのParvizでした。Parvizはアクシデントの影響をほぼ受けなかったため、結果をそのまま実力と受け止めてよいかは難しいところです。

 尚、転倒したWindstoßはすぐに立ち上がり、空馬のままゴールまで走っています。その後の検査で大きな怪我もなく、なんとこのあとウニオンレネンに出走します。きちんとステップレースを消化できなかったとはいえ、この判断はよいのか悪いのか、悩ましいところですね。

 では、次回はダービー直前の本番予想となります。乞うご期待(?)
posted by 芝周志 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2017年05月04日

第148回ドイツダービー予想・第1回 〜 注目馬をリストアップ


 数少ない読者の皆さん、お久しぶりです。芝周志です。

 今年のドイツダービーは7月2日開催です。しかしいきなりこの時期にこのようなエントリーを上げるのは、一昨日ドイツの競馬友だち、ヒネッケ兄弟から突然今年のダービー候補リストが送られてきたからです。そう、毎年予想を交換している彼らです。兄ハネス曰く「ダービー直前に送ると、お前も(ブログ用に)訳すのが大変だろう。」ということで、今年は5月初旬(今回)、6月初旬、本番直前の3回に分けて予想を送ってくるそうです。お陰で昨晩、昨年秋から先週末までのドイツの2歳、3歳戦を見まくって勉強しました。GWでよかったですよ……

 というわけで、まずは私を含めた3人の現時点での注目馬をリストアップしましょう。今のところ印の強弱はなく、アルファベット順になりますが、一応続けてその中から数頭、私なりのピックアップをしていこうと思います。(※現時点のダービー登録馬はこちら

※馬名(父−母)調教師、馬主
【ハネス】
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Nerud (Bernardini - Night Lagoon) Andr.Wöhler, Dr. Christoph Berglar
 Northsea Star (Sea The Stars - North Queen) M.Klug, Gestüt Wittekindshof
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Sargas (Shirocco - Servenya) J.-P.Carvalho, Gestüt Schlenderhan
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Shinzaro (Invincible Spirit - Shimrana) D. Moser, Gestüt Brümmerhof
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited

【マティアス】
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Oriental Khan (Campanologist - Oriental World) R. Dzubasz, Gestüt Auenquelle
 Promise Of Peace (King Kamehameha - Peace Of World) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Rolando (Campanologist - Rosa Di Brema) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Shinzaro (Invincible Spirit - Shimrana) D. Moser, Gestüt Brümmerhof
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

【芝】
 Dia Del Sol (Soldier Hollow - Diatribe) M.Klug, Gestüt Röttgen
 Enjoy Vijay (Nathaniel - Enjoy The Life) P.Schiergen, Gestüt Ittlingen
 Langtang (Campanologist - La Vinchina) Andr.Wöhler, K.Allofs u.Stiftung Gestüt Fährhof
 Monreal (Peintre Celebre - Montezuma) J.-P.Carvalho, Stall Ullmann
 Navajo (Kallisto - Nassau) A. Kleinkorres, Stall WWW
 Northsea Star (Sea The Stars - North Queen) M.Klug, Gestüt Wittekindshof
 Rosenpurpur (Pour Moi - Rosenreihe) P.Schiergen, Gestüt Wittekindshof
 Sargas (Shirocco - Servenya) J.-P.Carvalho, Gestüt Schlenderhan
 Shanjo (Soldier Hollow - Shivara) M.Klug, H.Pudwill
 Warring States (Victoire Pisa - Ciliege) Andr.Wöhler, Qatar Racing Limited
 Wilder Wein (Soldier Hollow - Wind in her Hair) M.Klug, Gestüt Park Wiedingen
 Windstoß (Shirocco - Wellenspiel) M.Klug, Wellenspiel

 私だけ少し多めになってしまいましたが、なかなかこの時期に絞り込めなかったのでご容赦を。

 まずは、昨年の2歳チャンピオン決定戦ヴィンターファボリート賞(G3)の勝馬であり、3人とも名前を挙げているLangtangから行きましょうか。


 
 1番人気を背負って最後の直線できっちり突き放しており、この時点では明らかに格上。血統的にも距離延長に問題はなさそうで、謂わば王道を進むべき馬。しかし今年初戦のドクターブッシュメモリアル(G3)で、今年調教師になった日本でもお馴染みのスボリッチが送り込んだ伏兵Dragon Lipsに3 1/4差をつけられて2着に敗退(Dragon Lipsはダービー登録がなく、メールミュルヘンスレネン(独2000ギニー)が次走目標)。



 とはいえ、休み明け初戦2着なら上々で、次走上積みの可能性は十分。

 次に、つい先日の5月1日、ミュンヘンのバヴァリアンクラシック(G3)を制したWarring States。



 既に気づいている人もいると思いますが、この馬の父はヴィクトワールピサ、母チリエージェという日本産馬で、ハクサンムーンの半弟です。日本産馬がドイツの重賞を制し、ドイツダービーの有力候補に躍り出る日が来るとは、長年ドイツ競馬を眺めている身としては、なかなか感慨深いです。この馬は2歳デビュー戦を楽勝し、クリテリウムドサンクルー(仏G1)に挑むも10着に敗退。バヴァリアンクラシックではヴェーラー厩舎3頭出しの中、1番手はキングジョージ馬Novellistの半弟Nerudだったはずなのですが、レース直前にWarring Statesが2番人気に押し上げられての勝利(Nerudはいいところなく6着)。余程パドックでの仕上がりがよかったのでしょう。この血統でタフなハンブルク2400mをこなせるのか不安がないわけではないですが、日本視点では注目せざるをえません。

 このレースでWarring Statesとの叩き合いを演じたのがEnjoy Vijay。2歳時は4戦して未勝利。但し果敢に重賞に挑戦して、4戦目のラティボアレネン(G3)を3着と好走。明け初戦の平場戦で未勝利を脱出しここを2着と、シールゲン厩舎は経験で鍛えて力を付けさせています。シールゲン厩舎に今のところ主役級がいないのですが、この馬の成長力はちょっと怖いですね。

 尚、このレースで1番人気だったSea The Stars産駒のNorthsea Starは、2歳デビュー戦を4 3/4差で圧勝してのここ2戦目4着であり、一叩きしての巻き返しチャンスはまだありそうです。

 また、4月9日デュッセルドルフで行われたリステッドのダービートライアル(※レース名は先走ってますが、きさらぎ賞がオープンに格落ちしたくらいの位置付けです)を制したWindstoßは、かなり強い勝ちっぷりでした。



 その他、今年の重賞、リステッドではないため、まだGerman RacingのYouTubeビデオアーカイブにはありませんが、平場別定戦で今年2連勝中のShanjoは要注目です。2歳の11月に1戦して3着は単なる実戦調教で、3月初戦を3 3/4差の楽勝で未勝利脱出、4月23日クレーフェルトでの平場2050mでは、1頭だけ3kg重い59kgの斤量で1.4倍のダントツ人気に応え、同じく3 3/4差で力の違いを見せつけました。私はドイツのブックメーカーサイトで映像を見たのですが、フラフラしたところがなく、次走次第では一躍本命になりそうな魅力を感じます。

 あとは今年4月に満を持してデビューし、強い勝ち方をした名門シュレンダーハン牧場のSライン系Sargasが、次走試金石といったところでしょうか。

 全体的にクルーク厩舎とヴェーラー厩舎に有力どころが集まっている印象です。

 このあと本番前に重要なステップとなるレースは、一応クラシック1戦目である5月21日メールミュルヘンスレネン(G2, 1600m, ケルン)、5月28日イットリンゲン・ダービートライアル(G3, 2000m, バーデンバーデン)、6月5日ハノーファーフォルクスバンク大賞(Listed, 2200m, ハノーファー)、そして伝統のトライアルである6月11日ウニオンレネン(G2, 2200m, ケルン)、ダービー最終便の6月18日swbダービートライアル(Listed, 2200m, ブレーメン)となります。

 では、6月初旬にドイツから第二弾が来たら、次回中間予想をば。
posted by 芝周志 at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2016年07月10日

ドイツダービー予想です


 ご無沙汰してます。芝周志です。梅雨明けはまだなのに暑いですね。みなさんお元気ですか?

 ところで、ドイツダービーは7月第1日曜日開催が伝統なのだが、今年は2週目の本日10日開催。実は2006年ドイツ開催ワールドカップ以降、大規模なサッカー大会と日程が重なる年は、ダービーをずらすのが習慣化してきている。今年は第1日曜日がヨーロッパ選手権真っ只中だったので1週ずらしたわけだが、決勝と同日というのは果たしてずらした意味があるのか?もう開き直って伝統通りにやればいいのに。

 さて例年ダービー予想を送ってきてくれるドイツのオヤジ、ヒネッケ兄弟から、只今執筆開始時点ではメールが届いていなかった。もはや惰性になってきてたし、もしかしたら「もういっかな…」ってなってるかもしれないので半分諦めかけてたら、コメント抜きの予想だけ飛び込んできた。我々の伝統が辛うじて維持され、ホットする。

 ということで始めよう。

 まず今年のハンブルクの馬場はかなりヤバい。昨日の馬場状態は不良で、メインのハンブルク牝馬賞(G3、独オークストライアル)はゲートなしのフラッグスタート。馬群は向正面でも外埒沿いに固まり、非力な馬は直線入口手前でもう脱落し始める有様だ。相当なスタミナと精神力がなければ勝てない条件になっている。ダービーでは内埒の仮り柵が外されるが、連続開催前半で傷められているから、必ずしも状態がよいとは限らない。騎手同士の駆け引きも厳しくなりそうだ。

 ではまずサクッと我々3人の予想馬を書いてしまおう。尚、出馬表はこちら

【ハネス】
 Boscacchio
 El Loco
 Dschingis Secret
 Our Last Summer
 Larry

【マティアス】
 Boscacchio
 Dschingis Secret
 Wai Key Star
 El Loco
 Berghain

【芝】
 Boscaccio
 Isfahan
 El Loco
 Dschingis Secret
 Landofhopeandglory
 Larry
 
 3人全員が本命に挙げたBoscaccioは、デビューから負けなしの4連勝で、前走はメイントライアルであるウニオンレネン(G2)を勝利。必然的な1番人気馬だ。ウニオンの直線でEl Locoとの長い叩き合いを凌ぎ切ったところからも、スタミナと勝負根性はある。しかし不安要素がないわけではない。何よりの不安は鞍上デニス・シールゲンの若さだ。かつてのドイツNo.1騎手であり現トップ調教師ペータ・シールゲンの長男は、その人懐こい笑顔でファンからも人気があり、今回は父の馬ではなく中堅厩舎シュプレンゲル師より鞍上を託され続けての参戦。勝てばちょっとしたメルヘンになる。しかし上述のように今年の馬場は間違いなく難しい。デニスは決して天才騎手ではない。経験値を重ねて上手くはなってきてるが、果たして本番で上手に立ち回れるだろうか。私の場合は、半ば願望を込めた本命予想である。

 対抗としてはウニオン2,3着馬が3人共上位予想に挙がっている。2着だったEl Locoはデビュー勝ち以後、重賞4戦全て2着。いずれも決して大負けしてないが、キレはなく、逃げか先団につけてとにかく根性で粘り込むタイプ。仮に良馬場だったら評価を下げるつもりだったが、今回の馬場なら念願の勝利もありうるかもしれない。一方3着Dschingis Secretは中団から後方に控え、直線で追い込んでくるタイプ。前走の最後の伸びは前2頭よりよく、本番での逆転の可能性も感じさせたが、今回の馬場は決してこの馬の味方にはならないだろう。

 レーティング上1位であるWai Key Starは、バーデンバーデンのイットリンゲン・ダービートライアル(G3)をEl Locoに2馬身3/4つけて勝っているため、ウニオンでの同馬との着差から、相対的にBoscaccioより上位扱いになっている。しかしWai Key Starは直線での一瞬の切れ味が強みと思われ、我々3人の予想ではマティアスが3番手に残してるものの、ハネスと私はバッサリ切った。

 その他予想が被っているのでは、私とハネスが挙げたLarry。この馬は今のところ2戦全勝。但しまだ骨のあるタイプと対戦はなく、単純に実力は未知数。一応前走の勝ちっぷりはよかったので、もしかしたら3着以内に潜り込んでくるかも程度の評価。

 私一人上位予想しているのが、昨年のドイツ2歳チャンピオンのIsfahan。今期明け初戦である5月1日ミュンヘンのバヴァリアンクラシック(G3)で、格の違いを見せて勝利。しかし中2週で臨んだイタリアダービーは、1番人気に推されたものの5着。だが今回はそこからじっくり立て直してくるかもしれない。スタミナには確かに疑問符が残るのだが、こういう馬は軽視すると、してやられることがよくあるので、敢えて上位予想してみた。

 ただ、いずれにせよ今年は特に抜けた馬がいない。世代レベルとしてもあまり高そうな感じはしないため、ここで一皮剥ける馬が出てくることを期待したい。発走は日本時間17:10(日本時間0:10)。

 では、私はその前にWUGちゃんたちの出演イベント「D-World」vol.0に行ってきます。そして来週は待ちに待ったWUGライブ舞浜公演だぜ!
posted by 芝周志 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2015年09月27日

第35回オイローパ賞(G1・ケルン競馬場)を撮影しに来た


 8年振りにケルン競馬場へ帰ってきた。ケルン大学在学中の3年半、続けてデュッセルドルフで就職後も3年間、開催日の3分の2くらいは毎年通っていた、自分にとっては謂わばホームコースだ。景色、雰囲気ともに懐かしく心地よい。最初に仲良くなったクラウス・トゥフルやDanedreamのJC参戦の際来日してたフランク・ノルティンクら昔なじみのカメラマンたちにも会え、まさしく帰ってきたという気分だ。

 一応前日土曜日の2歳牝馬戦ヴィンターケーニギン・トライアル(リステッド・1600m)から撮影を開始したが、コース幅や撮れるポジションも東京や中山とは違いとても近いので、APS-CのEOS 7D MarkIIだと、ゴール前ではサンニッパは必要ない。かつてドイツにいた頃と同様ニーニッパをメインに。競馬場内の写真も含めヴィンターケーニギン・トライアルの写真は既にサイトにアップしてある(レース名をクリック)

 Preis des Medienhauses DuMont - Winterkönigin-Trial
 http://15races.shibashuji.com/

 さてオイローパ賞。国外からの参戦は2頭で、1頭はかつてドイツにいてカタールに買われたDubday。グッドウッドのG3を勝っての参戦で、鞍上がデットーリということでも注目される。もう1頭はフランスの牝馬Cocktail Queen。前走はドーヴィル大賞(G2)2着での参戦。はっきり言って2頭ともあまりレベルは高くない。

 迎え撃つは前走ベルリン大賞(G1)2着のIto。前走は逃げ粘って差されてしまったが、休み明けということで多少割引もあっただろう。ただバーデン大賞を直前熱発で回避したのが今回どう響くかが気になるところだ。

 もう1頭ドイツ馬で人気になっているのが3歳牝馬Nightflower。ディアナ賞(独オークス・G1)とバーデン大賞(G1)を連続2着での参戦。ここで一発も十分あり得る。

 その他、昨年のオイローパ賞勝馬Empoli、昨年のベルリン大賞馬Siriusと昔の名前が花を添える形だ。

 発走は日本時間の23:50。個人的にもレースを大いに楽しみたいと思う。
posted by 芝周志 at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬

2015年09月20日

ポートレート撮影がんばってみた − 東京ゲームショウ2015@幕張メッセ


 すっかり忘れてましたが、このブログ、実は「カメラ・写真」というカテゴリもありました(ご挨拶)

 写真と言っても、普段はほとんどが競馬、たまに風景しか撮っていないのだけど、やはり時にはポートレートも撮りたくなる。しかし問題は被写体になってくれるモデルがいないこと。以前にコミケでコスプレイヤーを撮るということを何度かやっていたけど、背景がごちゃつきすぎて他の人の写り込みも多く、なんか諸々気持よく撮れないため、結局やめてしまった。しかしポートレートを撮りたい欲求はあったので、昨日幕張メッセの東京ゲームショウ2015でコンパニオンさんたちを撮ってきた。

 いや、第一の目的はこっちだったのだけどね(テヘペロ)
 https://goo.gl/photos/NuXazk9u5Tktq7bz8
 
 レンズは3本持っていったのだが、結局使ったのは1本だけで、装備としては以下のとおり。

 ボディ:EOS 7D Mark II
 レンズ:EF50mm F1.4 USM
 ストロボ:スピードライト430EX II
 BLUE LOTUS ストロボディフューザー

 絞りはF1.4で完全に開放すると、このレンズの経験上確実にピントが甘くなるので、一応少し絞ってF1.8固定で撮ってはみたが、なかなか焦点がピリッとはせず、やっぱり全体的に苦しかった。とはいえ、あまり絞ると背景がうるさくなるし、このへんはレンズの問題と、自分の訓練次第なのかなと。ストロボ発光量は1/64まで落とした上でディフューザーも付ける。

  

 左はISO200、1/250秒。右はISO400、1/200秒。ストロボは両方とも下向きにして床からの照り返しだけ狙ったつもり。先に撮ったのが左なのだけど、モデルの目線に合わせて少し屈んで正面から。まあ芸はないですね。フラッシュの照りは強くないから明るさは自然な感じだけど、ちょっと露出アンダーだったかな。右は膝をついて、少しあおり気味に。こちらのほうがフラッシュの明かりが下から来ている感じが出てるが、それほど違和感はないのではないかと。こちらのほうが背景が明るく、ストロボできっちり被写体を照らしたことで、写真全体が明るくはなった。

 因みに左の写真は開場から間もなく、コンパニオンさんもまだ撮られ慣れてない雰囲気だったが、右は1時間半くらい後に再度撮りにいったため、表情作りもノッてきていた。そういうのもポートレートでは大事なのかもね。

 

 これは確かフラッシュをほぼ正面に向けて撮ったものだけど、カラーコンタクトの雰囲気含めモデルがキリッとした表情をしてくれたので、こういうパッキリとした光の当たり方でもいいのかなと。

 

 これはちょっと角度を付けてみた。角度の付け方はいろいろ試してみたけど、その時コンパニオンさんがとってくれたポーズにもよるため、ある程度経験しないと、ベストなものを瞬時に引き出せないなと。

 

 どうしてもバストアップの写真ばかりになってしまうので、一応全身写真も試してみたが、50mmでフラッシュの発光量を変えずにそのまま挑めば、こんなもんよね。もう少し広角使って接近したほうがよいのか、発光量増やしてアングルを工夫するか、根本的に考え直し。

 

 この子は最初縦向きで撮って、角度も変えたりもしてたのだけど、ポーズを意識して横撮りにしたら、このほうが可愛く収まったかなと。

 その他コスプレしたコンパニオンさんも撮ったけど、イロモノ感が強くなるより、普通にカッコ可愛い衣装の子たちのほうが、結果として撮り甲斐あったかな。たださすが皆さんお仕事なだけあって、表情の作り方、撮られ方が上手い。またポートレートを試すなら、コミケよりこういう商用イベントのコンパニオンさん狙ったほうがいいね。

 その他まとめてこちらにアップした。
 https://goo.gl/photos/SLYfaJCZiAoBc8ot7

 

 因みに、この子も普通にコンパニオンさんのつもりで撮ったのだけど、もらったチラシを帰宅後に眺めてみたら、どうやらチラシに写っているユニットメンバーの一人のようだ。




 アニ☆ゆめProjectという声優ユニットというか、「参加型声優応援シミュレーション」とかいうプロジェクトの蝦名彩香ちゃんだそうだ。ちょっと調べてみたところ、まだ声優としての実績はほとんどなさそうだけど、まあそのへんはうちの推しユニット的にも他人事ではないので、気づいた時には「あ、あの時の…」くらいには意識して応援しましょう。

【おまけ】
 この人、完全にタレント化しとるな。

 
posted by 芝周志 at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ・写真

2015年07月05日

もうすぐ熱い夏です。ドイツダービー予想です。


 こんばんは芝周志です。ご存じない方も大勢いらっしゃるかと思いますが、実はブログやってます。

 春シーズンの締めくくりである宝塚記念も終わり、今週から夏のローカルシーズンに突入して、日本競馬はとりあえず一息というとこではありますが、お陰で私は夏のツアーに向けてわぐちゃんモードが高まっています。先週末届いた昨夏ファーストツアー東京公演と暮れの幕張ライブイベントのBDを見て、「わぐちゃん最高かよ」という気分に改めて熱を帯びています。今回は当初8月8日の舞浜と16日の仙台のみ参戦予定でしたが、ツアー初日の7月20日大阪公演で新曲お披露目とあって、大阪昼の部のチケットも急遽取りました。土日西武ドームに参戦する某アイマスクラスタも三連闘でWUGライブ初参加ということもあり、益々熱い夏になりそうです。

 と、競馬脳が停止しかかった一昨日、ドイツの友人ヒネッケ兄弟から毎年恒例のドイツダービー予想メールが飛んできました。うん、やりましょう。伝統は途絶えさせてはいけません。実は今年は去年に比べると春からそれなりにチェックしてたんですよドイツ競馬。ということで、間もなく発走となるドイツダービー予想とまいります。出馬表はこちらへ。

 まあしかしヒネッケ兄弟も、私の翻訳の手間を気遣ってか、以前に比べるとすっかり簡易版になりました。ではまず兄のハネスの予想から。
 元気かい?ドゥラメンテが故障してしまったのは残念だ。パリで見たかったんだがなあ…。さてダービー予想だが、あまり翻訳しなくていいように簡単に。自分の本命はNutan。そこからShimrano、Areo(硬い良馬場なら)、Rogue Runner、そしてNordic Flight。さて、いったいどれだけ当たらないかね(^_<)

続いて弟マティアスの予想。
 自分の本命も同じくNutanだ。闘争心があり、自分の見立てでは"確実に"4着以内には入るだろう(注:ドイツでは多頭数だと4連単もあります)。タイプ的に本格化するまで時間を要し、いかにもダービー向きって感じだ。Areoは距離をこなすためには硬い馬場が必要だ。Shimranoはあまり好きではないが、成績は一番いい。入着レベルになると色々可能性は出てきてしまうが、一応自分のいつもの予想通り6頭に絞ると次のとおり。

 Nutan - Areo - Shimrano - Nordic Flight - Summer Paradise - Hot Beat

 というわけでドイツのベテラン競馬親父二人は揃ってNutanを本命。4月に2着でデビュー。5月未勝利戦で逃げ切り圧勝し、3走目の前走ウニオンレネンでも逃げ粘っての3着。直線半ばでShimranoに捕まった時はそのまま突き放されるかと思ったけど、よく踏ん張っていた。シールゲン師の息子デニスの追い方は動きに無駄が多かった感じがして、本番ではシュタルケに乗り替わりになり、ウニオンレネン組では確かに一番伸び代があるように思われます。

 ウニオンを勝ったShimranoは、安定感はあります。その前のハノーファーのリステッドも難なく勝っているし、当然のダービー一番人気馬。しかし例年の一番人気に比べると抜けた強さを感じさせず、ウニオン2着のAreoと3着Nutanとの間に、それほど決定的な差はないような気がします。

 そこで私は、敢えてウニオン以外の路線からNordic Flightを本命に。昨年デビューし、2歳は3戦未勝利、明け3歳初戦は2着でしたが、2走目に未勝利を脱出し、前走バーデンバーデンでのダービートライアルも勝って本番に駒を進めてきました。このバーデンのレースでは、直線で先に抜けだしたAnna Katharinaをジリジリ追い上げ、しっかり差し切っての勝利。3着以下には4馬身差をつけていて、ここではこの2頭が抜けていたのは明らかでした。そしてAnna Katharinaが昨日ディアナ賞トライアルに当たる3歳牝馬G3を、しっかり他馬を押さえて勝利したことで、相対的にNordic Flightの評価も上がったと言っていいでしょう。Anna Katharinaもディアナ賞(独オークス)の本命候補に躍り出たと言えます。

 その他ドイツの二人には穴としてFair Mountainを挙げましたが、これは年明け初戦の勝ち方が力強くてダービー向きかなと思ったからで、しかしその後2戦はあまり見せ場がなく、本番でガラッと変わってくれればという期待を込めて。因みにこの馬の母は2008年エリザベス女王杯に参戦していたフェアブリーズです。

 ということで、一応ドイツの二人に送った自分の予想は以下のとおり。

 ◎ Nordic Flight
 ○ Nutan
 ▲ Shimrano
 △ Areo
 穴 Fair Mountain

 あと加えて気になるのは、フランスのコンピエーニュのリステッドを勝ってダービーに追加登録したPalace Prince。もっともこの手の臨戦過程で少し人気になった馬は、ドイツダービーでは殆ど来ないので、父もAreionだし、入着はあるかなくらいで。

 それにしても今年のドイツダービーは、実のところあまり気持ちが盛り上がらない。何故なら今年3歳世代で明らかに力が抜けているヴェーラー厩舎の2頭がいないからです。ブッシュメモリアル(G3)、メールミュルヘンスレネン(G2)を完勝したKarpinoと、ミュンヘンのバヴァリアンクラシック(G3)で殆ど追わずに楽勝したQuasilloが故障で戦線離脱してしまったのは実に痛い。マイラー路線で来たKarpinoはいきなりの距離延長でダービーはどうかは疑問があったものの、Quasilloのほうは出ていたら圧倒的1番人気になっていたでしょう。Quasilloは蹄に問題が出たとのことで、年内復帰も怪しい模様。Karpinoは調教中の故障でどの程度の重さなのかは分からないのですが、このまま2頭とも年内復帰できなければ寂しいですね。古馬ではこの春本格化してきたシュレンダーハーン牧場のItoに、今後のG1戦線での活躍を期待したいとこです。

 ということで、ドイツダービーはこの後日本時間0:10発走となりますのでお楽しみに。
posted by 芝周志 at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ競馬